内容説明
今や名探偵の代名詞となり、世界中で愛されているシャーロック・ホームズ。この文学史上屈指のキャラクターを創造したコナン・ドイルとは、いかなる人物であったのか?生い立ちから作家生活、そして社会問題への精力的な活動―。英国推理文壇の巨匠シモンズが、新資料と豊富な図版を駆使して、波瀾に満ちたその生涯を簡明に描く。ドイルならびにホームズ研究の格好の入門書。
目次
1 シャーロック・ホームズの創造者
2 青年
3 公人
4 十字軍戦士
5 作家
6 戦時、そして晩年
著者等紹介
深町眞理子[フカマチマリコ]
1931年生まれ。1951年、都立忍岡高校卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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へくとぱすかる
30
単にホームズの生みの親、それだけではないドイルの意外な側面を描く。はた迷惑なほど正義感に燃えた、ずいぶん軽率で、しかも頑固なオヤジだったんだなあ、という第一印象。55歳にもなって一兵卒として第一次世界大戦に行くなどは、ドン・キホーテ的にすぎる。軍が丁重に敬遠したがるのも無理もない。晩年の心霊主義への傾斜については、比較的軽く触れられているが、例の「妖精写真」。あれって「ストランド・マガジン」に掲載されたんですね。したがって騙されたことが周囲に見え見え。なのに……。ホームズの作者とはとても思えない?2014/08/23
鐵太郎
10
人はいろいろな顔があるものですね。ドイルの騎士道精神により、彼は真の意味で人間を理解できる人にはなれなかった、という一節が面白かった。内容的には、ちょっと辛辣ですね。ドイル個人についてはかなり好意的に書いているのですが、白衣の騎士団などについての評価などが辛い。勇将ジェラールなどについても、ほんの手すさびが売れてしまったなどと、ちょっと皮肉かも。実は、ドイルがボーア戦争で果たした役割についてこの本はどう書いていたっけと思って見直したのですが、そちらの方はほとんどなにも書いてありませんでした。残念。(笑)2008/01/03
ホームズ
7
シャーロック・ホームズの生みの親コナン・ドイルの評伝。多くの写真が使用されていて興味深い感じでした。もう少しシャーロック・ホームズや「白衣の騎士団」「勇将ジェラール」「チャレンジャー教授」などの物語のできるまでの話があれば良かったかな(笑)これはこれで貴重な資料になるんでしょうけど(笑)2009/06/13
ゆいぱぱ
2
復刊フェアにて入手。普通の文庫本よりも上質の紙を使用されていて、写真や挿し絵も綺麗に見易く、シャーロック・ホームズの生みの親であるコナン・ドイルの伝記と彼の作品をコンパクトに解説。第一次世界大戦を経験されていたのを初めて知りました。2013/02/02
たくのみ
2
医師で、スポーツマンで、愛国者、正義漢。冤罪を追求し、選挙に出たり、軍にアイディア提供したり、発言はリベラルで、中身は保守。ミステリー、SF、プロパガンダ、従軍作家…イギリスの帝国主義時代を良くも悪くもすべて内包した人だとはじめて理解。科学を糧としてきたのに、心霊主義に走る晩年。ホームズの信奉者からすら煙たがられるのも納得。当時の写真やカットがうまく挿入されていて、ドイルの肖像が浮かび上がってくる。2012/06/23
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