出版社内容情報
丁寧に手入れされた美しい庭で、航大と拓海はいつものように、植物にまつわる細やかな違和感について言葉を交わす。存在しない鉢植えを求める老女、行き止まりの道で起こる消失、葉と数字が示す暗号――。植物をめぐる小さな謎は、やがて周囲の人の記憶や感情へとつながっていく。植物をめぐる小さな謎を解き明かした先で、芽吹く思いが温かな余韻を残す。優しさに満ちた連作短編集。
【目次】
内容説明
丁寧に手入れされた美しい庭で、高校生の航大と大学生の拓海はいつものように、植物にまつわる些細な違和感について言葉を交わす。存在しない鉢植えを求める老婦人、コスモスが咲く道で起こった人間消失、葉っぱと数字でできた暗号の解読―。植物が絡むささやかな謎はやがて周囲の人の記憶や感情へと繋がっていく。読み終えたあなたの心のなかで温かな思いが芽吹く。デビュー作にして入試問題に多数採用され注目を集めた『勿忘草をさがして』に続く、優しさに満ちた連作短編集。
著者等紹介
真紀涼介[マキリョウスケ]
1990年宮城県生まれ。東北学院大学卒。『勿忘草をさがして』(応募時タイトル「想いを花に託して」)で第三十二回鮎川哲也賞優秀賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
aquamarine
51
高校生・航大と大学生の拓海、拓海の祖母菊子との優しい交流と日常の謎の連作二冊目。壮太、演劇部の凛、手芸部の3人といった友人たちと交流する航大の日々は小さな謎に満ちていて、拓海の力も借りながら日々は移ろってゆく。菊子を通じたビオラや薔薇の鉢植えに関するそれぞれの謎も印象深い。嫌な人が全く出てこない優しい一冊なのだが、ある一話が泣きたいほどきつい。すべてを受け止めた後の彼らの思いと行動も胸が痛かった。この後を書かなかった著者の選択に脱帽。読後見る美しい表紙絵と題名がそれぞれの物語の余韻を改めて運んでくる。2026/07/08
よっち
19
問題が解決しても続く航大と拓海、彼の祖母・菊子の交流。ささやかな謎が周囲の人の記憶や感情へ繋がる第2弾。演劇部部長の凛や手芸部の面々との関わりも増えてきた中で起きる、老婦人が存在しない鉢植えを求めた理由。コスモスが咲く道でどのように同級生は忽然と消えたのか。葉っぱと数字でできた暗号の解読。割れたはずのバラの鉢植えはなぜいつの間に植え替えられたのか。元気だった猫が突然死んだ理由。今回は手芸部の人間模様もポイントで、泣きたくなるほろ苦いエピソードもありましたが、繊細に紡がれてゆく心の機微が今回も良かったです。2026/07/07
だるま
17
『勿忘草をさがして』の続編で、形式も同様の連作短編集。高校生の航大が、大学生の匠海と、その祖母菊子の二人と知り合いになり、航大の身の周りで起こった謎を匠海に話して解いて貰うのが前作だったが、今作では菊子の友人から出た謎の解明や、航大自身が謎解きをする等のアレンジが加わっている。全作品、謎を解くには植物の知識が必要となるので、一般の読者には解きにくいが、それを「アンフェアだ」と思わせ無い所が巧い。真の悪人がいない優しい物語に終始していて、読んでいて清々しい。ミステリとして弱いのは否めないが、私は好きだな。2026/08/17
みすみ
12
1冊目が良かったので続編も。登場人物が増えてきたり、航大の探偵レベルが上がっていたり。シリーズとして順調に育っているのを嬉しく思いつつ読んでいたら、最終話に想像以上の痛みが待っていた。これは切ない。でもイヤミスではなくて、青春ならではの痛みと修復の兆しが丁寧に描かれていることに救われる。推理の過程もクリーンで、日常の謎ミステリーとしても上質。なのでどの話も好きだけど、「透明少女」の帰結の爽やかさと、「風吹けば謎」で割れた植木鉢の真相は印象深かったな。装画の美しさも込みで、唯一無二のとても良い本。2026/08/23
カノコ
12
高校生の航大が大学生の拓海の力を借りて植物にまつわる日常の謎を解き明かす連作短編集。シリーズ二作目。コスモスが咲く道で起こった人間消失や葉っぱに刻まれた暗号など、有り触れた謎に植物の彩りが華を添える。ミステリとして見ると非常にささやかなうえ、読者が探偵役を務めることはできようもないのだが、丁寧で実直な空気感が不思議と心地よい。登場人物たちがみんな素直ないい子すぎるような気もするが、それが故に表題作がなかなかにヘビー。早々に真相に勘付いてしまい外れていてくれと願ったが……。優しさをお伽噺にしないリアリティ。2026/08/14




