情無連盟の殺人

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情無連盟の殺人

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  • サイズ 46判/ページ数 288p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488028725
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

徐々に感情が失われていく病「アエルズ」に罹患した、元麻酔医・伝城英治。同じ病状の8名で、千葉県の一軒家で共同生活を送る「情無連盟」から加入の誘いをうけたのだが、見学に行った矢先に連続殺人事件に巻き込まれる。不可能状況下、あらゆる欲求が失われている「情無」たちが集う家で、なぜ事件は起こったのか? 現役医師であり、ミステリーズ!新人賞受賞作家である著者が相棒と共に描く、本格犯人当て長編。

内容説明

徐々に感情が失われていく病「アエルズ」に罹患した、元麻酔科医・伝城英二。空腹は感じるがそれを不快には感じない。うまくもまずくもないので、食べ物にも興味がなくなった。ファッションや人間関係についても同様だ。毎日同じ料理を食べ、人付き合いも最低限にして暮らしていた英二はある日、アエルズ患者八名が共同生活を送る“情無連盟”から加入の誘いを受ける。だが英二が泊まりがけで見学に訪れていたさなか、連盟員の一人が殺害されてしまう。不可能状況下、しかもあらゆる欲求を失い、怒りも悲しみも感じない「情無」たちが集う屋敷で、なぜ殺人事件は起こったのか?現役医師であり、ミステリーズ!新人賞受賞作家である著者が相棒・眞庵と共作した、本格犯人当て長編。

著者等紹介

浅ノ宮遼[アサノミヤリョウ]
1978年生まれ。宮城県仙台市出身。新潟大学医学部卒の現役医師。2014年、「消えた脳病変」で第11回ミステリーズ!新人賞を受賞

眞庵[シンアン]
秋田大学医学部卒。浅ノ宮遼とはかねてからのミステリ仲間。単行本『片翼の折鶴』(東京創元社)の制作にかかわり、今作から共著者として本格的にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

aquamarine

82
徐々に感情が失われていく病「アエルズ」。罹患したものはいずれ完全に感情を失い情無と呼ばれる状態になる。そんな彼らが共同生活を送る一軒家で殺人事件が起きた。犯人は?目的は?不可思議な状況を目にした情無の彼らは?…患者の麻酔科医視点で、話は淡々と進む。患者の行動や考え方は興味深く、理詰めで犯人を導きだしていくところもよく練られている。ただ彼らには全く寄り添えない。人間は感情の生き物なのだとつくづく思う。こんな病気が本当にあったら、私は冷静に彼らと向き合えるだろうか。ミステリよりその方が印象に残った一冊だった。2022/09/04

雪紫

69
感情が消えていき合理的思考になってしまう病「アエルズ」。そんな人々がルームシェアする館で連続殺人発生。まだ感情を完全に失っていない元医師は探偵を頼まれる。連続殺人。ガチガチのロジックとは違う雰囲気。鋭二が発症してからの生活が何処か淡々と。だからこそ中盤で明かす殺人の抜け道においおいとなりながらも最後の事件のホワイダニットにあれ伏線だったのかと震撼したし、まだ感情を失っていない分ゆらぎの印象が強くなる。とりあえず鋭二は妹や先生に相談しなさい。勇者部五箇条は悩んだら相談だけどこちらは悩めるうちに相談ですよ。2023/02/02

ゆのん

66
感情を失った『情無』が共同で生活する『情無連盟』で胸に錐の刺さった遺体が発見される。そして次々と事件が…。こう書くと犯人探しのミステリの様だが、この作品はもっと奥が深く、込み入っているので自分なりに推理した所で登場人物達にことごとく論破されてしまう。感情が無いのだから動機の点からして難解になってくる。以前に読んだ『アーモンド』に登場する病と似ているが、ミステリになると全く違ったテイストと楽しめた。2022/08/19

オーウェン

62
感情が失われていく病アエルズに感染した伝城。 そんな時、アエルズに感染した8人で結成された情無連盟に誘われる。 その視察に行った際に起こる殺人。 感情の有無がない中で起こるという、特殊状況のミステリ。 動機の有無が欠落しているので、なぜその中で起こったのか。 凶器も確定している中で、誰がというフーダニットに特化している。 アエルズの症状を利用した連続殺人というやり口。 ラストは単純に犯人を見つけて終わりではなく、続編を作れそうな雰囲気。2022/09/29

えみ

62
何が一番驚いたって、このミステリの肝となっている「後天性情動喪失症候群」という病が完全に架空のモノだという事。初耳だけど、世の中にはそんな病気もあるかもしれないね。なんて思いながら読んでいたら…ミステリじゃない所で衝撃を受けてしまった!徐々に感情を失ってしまうという奇病に罹患した伝城英二が巻き込まれた殺人事件。同じ「情無」罹患者達が共同生活を送る奇妙な家で、その不可解な殺人は起きる。病気の特徴を最大限に活かした犯罪と、紛れ込んだサイコパス。何もかもが淡々としていて異常。癖あるミステリだがその癖を楽しめた。2022/08/28

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