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真実の10メートル手前

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  • サイズ B6判/ページ数 297p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488027568
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

高校生の心中事件。二人が死んだ場所の名をとって、それは恋累心中と 呼ばれた。週刊深層編集部の都留は、フリージャーナリストの太刀洗と 合流して取材を開始するが、徐々に事件の有り様に違和感を覚え始める……。太刀洗はなにを考えているのか? 滑稽な悲劇、あるいはグロテスクな妄執――己の身に痛みを引き受けながら、それらを直視するジャーナリスト、太刀洗万智の活動記録。『王とサーカス』後の6編を収録する垂涎の作品集。

内容説明

高校生の心中事件。二人が死んだ場所の名をとって、それは恋累心中と呼ばれた。週刊深層編集部の都留は、フリージャーナリストの太刀洗と合流して取材を開始するが、徐々に事件の有り様に違和感を覚え始める…。太刀洗はなにを考えているのか?滑稽な悲劇、あるいはグロテスクな妄執―己の身に痛みを引き受けながら、それらを直視するジャーナリスト、太刀洗万智の活動記録。日本推理作家協会賞受賞後第一作「名を刻む死」、本書のために書き下ろされた「綱渡りの成功例」など。優れた技倆を示す粒揃いの六編。

著者等紹介

米澤穂信[ヨネザワホノブ]
1978年岐阜県生まれ。2001年、『氷菓』で第5回角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞してデビュー。11年に『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞、14年には『満願』で第27回山本周五郎賞を受賞。『満願』および15年発表の『王とサーカス』は三つの年間ミステリ・ランキングで1位となり、史上初の二年連続三冠を達成した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

804
米澤穂信、4作目です。『王とサーカス』の執筆後に書いたのかなと思っていたら、その前後に書いた短編を纏めて単行本化したようです。まだ数作ですが、ひょっとしたら米澤穂信は短編の方が巧いのかも知れません。本作でのオススメは、「恋累心中」と「ナイフを失われた思い出の中に」です。太刀洗万智、主人公シリーズはまだ続きそうですが、もう一本ずつ長編と短編集を読んで評価を定めたいと思います。2016/02/08

サム・ミイラ

769
米澤穂信は実に魅力的なキャラクターを創造した。フリージャーナリスト太刀洗万智。報道の名の下にスポットライトを浴びる者。葬り去られる名も無き人々。公平と時に相反する真実の意味。その矛盾と苦悩をしかしクールな表情に隠し、ひたすら真っ直ぐに事実を追うその姿にたまらなく共感する。前作「王とサーカス」で報道に携わる覚悟を決めた主人公の「それまで」と「それから」を描いた短編集である。一話毎に彼女の人間的成長が感じられ実に味わい深い読書だった。次は積んである「さよなら妖精」学生時代の彼女に会うのが楽しみだ。2016/10/30

遥かなる想い

675
太刀洗万智の視線の冷たさが印象的な 短編集である。感情を殺した描写は 読者の心に哀しい事実を刻み込む。 ジャーナリストらしい抑制の効いた、 事件を視る、人間を観る立ち位置が 気持ちよい。『満願』の時に感じた事件の 背後に潜む人間の哀しみの描写も 健在で 読書の楽しみに浸れるのが素直に嬉しい。 事件の背後にある「本当の悲惨」を遠慮なく 暴き、心の中に消していく..太刀洗万智も 大人になったことを実感できる良質の 短編集だった。(2017年このミス国内第三位)2016/07/17

yoshida

635
「王とサーカス」で知った太刀洗万智の短編集。ジャーナリストである太刀洗の冷静さ、真実と報道に対する真摯な姿勢、矜恃を感じる。静謐な空気が流れる。「ナイフを失われた思い出の中に」がミステリとしても唸らされた。「さよなら妖精」を先に読んだ方が楽しめたかもしれないが、充分に満足。「恋累心中」での黄燐からの展開。裏切られ続けた高校生二人が哀しい。「名を刻む死」で見せる太刀洗の優しさ。太刀洗は外見と仕事への矜持から誤解されやすいと思う。時に見せる真摯な思いや優しさが淡く輝く。その輝きが本作の最大の魅力かも知れない。2017/12/03

紅はこべ

421
世論を作ろうとも流されようともせず、自分の目と耳をしっかり使う太刀洗万智。彼女が事件や人をサーカスにすることはないことが、この短編集ではっきりわかった。表題作以外は男性の目に映った太刀洗が描かれている。米澤さんの女性主人公の話は、男性視点でも、作者が男性だということを忘れてしまう。「恋累心中」と「ナイフを…」が特に印象が残った。どちらも動機はひどいけど。2017/04/23

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