出版社内容情報
「氷の女王」と渾名される鬼刑事の景子さんの夫は、料理上手で優しい新太郎くん。だが、旦那さまの特技は料理だけでなく……美食と名推理が堪能できる、本格ミステリ連作集。
内容説明
鬼刑事の景子さんと、料理上手な新太郎くん。二人はごく普通じゃない出会いを経て(殺人現場)、ごく普通に結婚しました―京堂家の食卓に並ぶのは、旦那さまお手製のご馳走と名推理。キッチンの安楽椅子探偵が大活躍の8編を収録。
著者等紹介
太田忠司[オオタタダシ]
1959年愛知県生まれ。名古屋工業大学卒業。81年、「帰郷」が「星新一ショートショートコンテスト」で優秀作に選ばれる。『僕の殺人』に始まる“殺人三部作”などで新本格の旗手として活躍。2004年発表の『黄金蝶ひとり』で第21回うつのみやこども賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
akky本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
145
京堂夫妻シリーズ三作目。遂に「氷の女王」とまで呼ばれている景子のアンタッチャブル感は新太郎の登場が増えたのもあって減退している。コンセプト上料理の描写が多いのも特色で、その豊富なアイデアはマンネリ気味な謎解きよりもユニークかもしれない。今作は絞殺が非常に多いのだが、中でも『童謡仕立て』のダイイングメッセージはかなりの無理がある。『眠れる殺人』の動機に関してはいくらか含みを感じさせるような証言が印象的、この余韻はこれまでのライトな質感とは一線を画している。生田が成長しないなら瞳に新レギュラーになって欲しい。2021/08/07
真理そら
53
氷の女王に昇格した?景子さんと新しいキッチン(夫妻は家を購入したので)で上機嫌な新太郎クン。この巻は二人の仲良しイチャイチャ描写のかわりに新太郎クンの料理の説明が増えている、いろいろ参考になるのでこの方向の方が好きかも。なんだかなあ…と思わせる「眠れる殺人」が好き。景子さんの下で働きたいと思っている鑑識の女の子登場。2024/10/20
すい
48
これはもう、キャラを楽しむ小説! ミステリの謎解き部分に目新しいものはないし、お話の展開も毎度毎度同じなので飽きてきたのだが、前作よりお料理の描写が詳しくて、そこは充分に楽しめた。 ただ、私が1番驚いたのがこれがシリーズ2作目ではなくて3作目だということ!! 一応、2作目も読んでおこうかな。2014/02/22
たんぽぽ
35
なんとなく手にとって読んでみたらシリーズ3作目でした。分かりやすい短編なので特に問題なし。 ミステリーとしてはこれといって特筆することはないかなぁ。 設定はね、羨ましい限り。 よくできた奥さんに甘えっぱなしの小説を読むと「オヤジの妄想!」なんて言っちゃうんだけど、これはその逆パターン。 イケメン、年下、可愛い夫が料理上手でいつも美味しい夕食を作って待っていてくれて、お酒を飲みながら雑談すると事件を解決してくれる。 いいじゃないの、こんな夫私も欲しいよ(笑) 料理はどれも美味しそうでした。2017/01/31
みい坊
34
新太郎くんの、お料理でおいしいお酒をいただきたいと思う一冊です。簡単で美味しそうなお料理が食欲をそそります。ミステリーとしては、軽く読めて好きなシリーズですが、読む度に、景子さんのキャラクターに違和感が付きまとい残念に思います。家での自然体の時は良いとしても、職場での話し方や、回りの人の怯えかたがあまりに不自然で、これで、チームになるのかいつも疑問です。まぁ、事件を解決するのは、新太郎くんなのだから、チームになれなくても良いのでしょうが。氷の女王が、もう少し武装解除したところを見たいと思ってしまいました。2013/11/03