ウラジオストクから来た女―函館水上警察

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  • サイズ B6判/ページ数 229p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488024659
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

明治二十四年、寒さが迫りつつある十月の函館。函館水上警察署の五条文也警部は、人々の注目を集める見慣れぬ毛皮のコート姿の女に目を奪われた。函館生まれながらロシア人の養女になったという彼女の悲しい過去とは―。表題作をはじめとして、英露両国の対立が一触即発の状態までに発展する函館港の危機「聖アンドレイ十字招かれざる旗」など計四編を収録。フェンシングの名手・五条を筆頭に、函館の平穏を守るべく日夜奔走する刑事たちを活写する、明治警察物語。

著者等紹介

高城高[コウジョウコウ]
1935年北海道函館市生まれ。東北大学文学部在学中の1955年、日本ハードボイルドの嚆矢とされる『宝石』懸賞入選作「X橋付近」でデビュー。大学卒業後は北海道新聞社に勤務するかたわら執筆を続けたが、やがて沈黙。2006年の『X橋付近高城高ハードボイルド傑作選』(荒蝦夷)、2008年の“高城高全集”全四巻(創元推理文庫)の刊行で復活を遂げる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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NAO

54
函館水上警察シリーズ第二弾。複雑な過去を持つ女性に関する「ウラジオストクから来た女」。「聖アンドレイ十字 招かれざる旗」「冬に散る華」は、別の地で実際に起こった事件を、函館に置き換えて描いたもの。どれも、明治らしい話だ 。特に、「聖アンドレイ十字 招かれざる旗」は、自国の港でありながら列強諸国に対して何ひとつできない日本の立ち位置、世界情勢が、よく分かる。2020/08/22

NAO

46
函館水上警察シリーズ第二弾。複雑な過去を持つ女性に関する「ウラジオストクから来た女」。「聖アンドレイ十字 招かれざる旗」「冬に散る華」は、別の地で実際に起こった事件を、函館に置き換えて描いたもの。どれも、明治らしい話だ 。特に、「聖アンドレイ十字 招かれざる旗」は、自国の港でありながら列強諸国に対して何ひとつできない日本の立ち位置、世界情勢が、よく分かる。2020/08/22

Roko

29
謎の女はロシアの富豪の養女で、金のかかった服装で、コートはセイブル(黒貂)で、宝石並みの高価なものだというのです。これ以外にもラッコの毛皮とか、アザラシの毛皮とかも話に登場します。当時防寒具として毛皮は重要で、密漁なども横行していたという話も出てきます。函館港は本州からやって来る船が多数あり、函館水上警察は、怪しい動きがないか、船の積み荷はどんなものなのかなど、かなりの仕事量があったようです。そして、港があれば、繁華街があり、遊郭があり、博徒がいるわけですから、こちらの仕事も忙しいのです。2024/08/19

藤月はな(灯れ松明の火)

29
領事裁判権があった明治時代での函館水上警察の活躍を描いた第二弾。惚れっぽい加納さんに苦笑しつつも事件から垣間見えた人情や人間の欲の遣る瀬無さが硬質なタッチで描きだされる。図書館に所蔵されている高城高作品はこの作品で終わり。また、ドンパチや裏社会でもなく、生活の悲哀を描いてもハードボイルドになり得ることを証明した高城高氏の作品が読んでみたいです。2013/04/07

takao

3
ふむ2023/12/08

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