内容説明
密やかなオフ会で発生した謎。男たちが真剣に探し求めるのは、とんでもないものの鍵だった!?キツネさん殺害事件の容疑者は当然ながら(?)どうぶつばかり。“非本格推理童話”の結末は?1994年の本格的作家デビュー以来、コミカルで上質なミステリの執筆に取り組んでいる著者が、16年のあいだに発表したノンシリーズ作品を集成。ボーナス・トラックとして、猫丸先輩探偵譚を一編収録。
著者等紹介
倉知淳[クラチジュン]
1962年静岡県生まれ。日本大学芸術学部演劇学科卒業。93年、『競作五十円玉二十枚の謎』への投稿を経て翌94年、『日曜の夜は出たくない』で本格的な作家デビューを飾る。以後、ユーモラスで親しみやすい作風ながら、ミステリとしての完成度にも妥協しない、高いクオリティの作品群を書き続けている。2001年、『壷中の天国』で第1回本格ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
81
【倉知ノンシリーズ】第2弾。同時2冊発売の片方が、この本作である。どちらかと言えば、本作の方がユーモアと言うか脱力を感じる、そんな作品の6つの短編集だ。前半の3作品は、男のブラジャー愛好家の話、時代劇をミステリ仕立てにしたり、ラジオの裏話に見せたりと発想は意外なのだが、謎解きと言うよりもっとゆるい。「遍在」のオチはある意味驚愕だが、SFではないのか。「どうぶつの~」は、アリバイ崩しからの世界がひっくり返るオチの素晴らしさよ。最後は猫丸先輩待ってましたであり、謎解きよりも何よりも、猫丸にほんわかさせられる。2020/12/10
ちはや@灯れ松明の火
74
『T-U=C』さてこれは何の公式?凛々しく伸びた背中、堂々と張った胸、違いの分かる男たちの他人に言えぬ秘密と彼らの絆を試す消失事件。ラジオ推理劇場のバカミス原稿に秘められた思惑。姿を消した下手人の謎から始まる留守居役侍探偵の血湧き肉踊る時代活劇。被害者は嫌われ者、平和などうぶつの森を騒がす殺人(獣)事件の犯人探し。可笑しくもバカバカしい事件を盛り上げる意外と本格的なトリックの数々。え?ねこちやんの出番が少ないですと?ラスト満を持して名探偵猫丸先輩が衆人環視の毒殺事件を解明致しますので、しばしのお待ちを。 2012/02/12
ダイ@2019.11.2~一時休止
50
タイトルに意味はない短編集。Aカップや動物の森がよかった。2013/09/22
まつじん
34
脱力系ミステリのオンパレードと思わせておいて、珍しく猫丸先輩の殺人事件の謎解きで締めてます。あとがきを読めばわかるとおりの無駄に長い短篇集です。まぁカル~イものが読みたい時には最適です。真面目に読書したい時にはパスね。2012/01/28
れいぽ
34
「なぎなた」の弾けたあとがきに比べて、こちらのあとがきは慎重に弾けている感じですね~(笑)収録作の弾けっぷりはこちらの方が上ですがw「Aカップ」のおバカ設定、「さむらい」の時代劇トリック&ツッコミなど吹き出すポイント多々あり。「偏在」は壮大なホラ話風味ながらも、ちょっと怖かった。あwウワサの猫丸先輩に初めてお会いできて嬉しかったですw2011/05/24