内容説明
昭和四十年代の街角には、いつでも不思議と冒険があった。貸本屋で交わされる暗号。未来世界に通じる土管。怪物を呼び戻すソノシート。時空を超えて繋がる鉱石ラジオ。…今も黄昏の街角で、彼らはかつての少年たちを待っている。短編の魔術師が贈る、郷愁と謎の街への招待状。
著者等紹介
井上雅彦[イノウエマサヒコ]
1960年東京都生まれ。明治大学卒。81年「消防車が遅れて」でデビュー。83年「よけいなものが」が星新一ショートショートコンテスト優秀作に選出される。97年より書き下ろしアンソロジー・シリーズ“異形コレクション”の監修を務め、同シリーズで第19回日本SF大賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
5〇5
5
これは昭和40年代に少年少女だった人へのギフトです。ノスタルジックな奇譚の数々ですが、当時を懐かしむだけではないみたいです。大人になった語り手が20世紀当時に思い描いた21世紀への憧れの心情も含めて、この時代を生きた作者と同世代の読者にこそ、伝わるものがあると思います。2023/01/28
warimachi
2
倉阪鬼一郎『下町の迷宮、昭和の幻』に近い雰囲気の、昭和ノスタルジア色濃い怪奇幻想短編集。奥深いところで不気味で、切なくて、いい作品だ。2020/08/19
中司
0
幻想と現実がごちゃごちゃで理解するには疲れました。一度休憩をはさむとなかなか手を出しづらくなるほどでしたが、読み出すとなぜか勢いがついてしまう不思議な本でした。でも、やっぱり疲れた。2013/08/09
七曲町子
0
これはすごい。今年読んだ中で一番おもしろかった気がする2012/11/26