ニッポン硬貨の謎―エラリー・クイーン最後の事件

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  • サイズ B6判/ページ数 321p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488023829
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

本格ミステリの一大事件だ・・・有栖川有栖氏推薦!
本格ミステリの巨匠に捧げる、華麗なるパスティーシュの世界。

内容説明

一九七七年、ミステリ作家でもある名探偵エラリー・クイーンが出版社の招きで来日し、公式日程をこなすかたわら東京に発生していた幼児連続殺害事件に興味を持つ。同じ頃、大学のミステリ研究会に所属する小町奈々子は、アルバイト先の書店で、五十円玉二十枚を「千円札に両替してくれ」と頼む男に遭遇していた。奈々子はファンの集い「エラリー・クイーン氏を囲む会」に出席し、『シャム双子の謎』論を披露するなど大活躍。クイーン氏の知遇を得て、都内観光のガイドをすることに。出かけた動物園で幼児誘拐の現場に行き合わせたことから、名探偵エラリーの慧眼が先の事件との関連を見出して…。敬愛してやまない本格ミステリの巨匠EQの遺稿を翻訳したという体裁で描かれる『ニッポン硬貨の謎』The Japanese Nickel Mysteryが、十余年の歳月を経て堂々完成。アメリカの作家にして名探偵が日本の難事件をみごと解決する、華麗なるパスティーシュの世界。エラリー・クイーン生誕百年記念出版。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Aya Murakami

56
図書館で借りた本。 エラリークイーンの贋作という設定で北村薫さんが作った作品。エラリークイーン愛の結晶とでもいうべきでしょうか? 日本の風物詩(歌舞伎とか熊野とか)が出てくるあたりエラリーだけでなく京極夏彦の気配も漂いました。2018/07/30

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

36
エラリー・クイーン大好きな北村薫さんが書いたクイーンのパスティーシュ小説。第6回本格ミステリ大賞〈評論・研究部門〉受賞というだけあって、クイーンを研究しつくしていないと書けないだろうな……という作品。私は、あまりクイーンを読んだことが無かったので、クイーン論とでもいうべき部分は「?」という感じだったけれど、読み込んでいる人なら、面白いんだろうなぁ。いかにも、外国の人から見た日本という描写を、わざわざ日本人である北村薫さんが書いているのが面白い。2015/08/19

かさお

20
北村薫がクイーンを主人公に書いたミステリーかと思えば、クイーンの未発表作を翻訳した、という体裁であった。物語自体は、正直、淡白だと感じた。何故純君親子の背景は詳しく書くのに、犯人の背景は少ないのかとか、そのままあの人が犯人な訳ないよね、が、そのままだったりとか。しかし核心はそこではない。私は改めて北村薫のファンとなった。翻訳のセンス、知識、そこに至る経緯、どれも一流だ。彼の書いたクイーン論を読んでみたいし、クイーンの作品をきちんと読みたい。世界が広がるとは、こういう事かと自分の中で確実に何かが変わった。2020/05/19

とも

20
★★★エラリー・クイーンのパスティーシュ作品。というわけで、クイーンマニアであれば、よく調べられて楽しめるのだろうが、残念ながらそれほどにその作家に興味がない為、何の感慨もなかった。また本題のミステリーとしても、来日中のクイーンがちょうど連続殺人にぶち当たって解明していく、というストーリーなのだが、それにもひねりも少なくどうも・・・。ただ、全体的にまろやかな北村薫としてのストーリー展開が、唯一救われたかと。2019/05/04

のっぱらー

16
クイーン作品を読んだことがなかったので、この作品の凄さは半分以下しかわからないのだとは思うが、作者のクイーン愛はひしひし伝わってきた。五十円玉二十枚の謎もうまく組み込まれており、作品としての完成度はなかなか。作品の性格からして、書きっぷりが色々と変わる部分があって若干読みにくい面はあったが、半分過ぎて当たりからは一気に読み進められた。2014/03/22

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