出版社内容情報
「読後は、世界と人間に対してのちいさな発見を得た。
これこそ、物語を読む醍醐味だ」――桜庭一樹(選評より)
巧みな語り口で五つの本格ミステリの謎解きを紡ぐ、期待の新人デビュー!
第7回ミステリーズ!新人賞佳作「商人の空誓文」を収録
料理人のキドウは異国の地で、8年前に飢饉に苦しむ祖国を揺るがした、ある事件で出会った因縁の相手・カルマと再会する。彼らが口にするのは、事件解決の際に奇策を弄した、行商人・フェイとの思い出話。しかし、新たな疑問がキドウの中に生まれる。「あのとき祖国で、本当は何が起こっていたのか?」。真実を知ろうとするキドウに、カルマは奇妙な寓話を語り出す。「不思議なナイフで自らの”影”を切り離した男の物語」だ。物語の幕が下りるとき、8年前の事件の驚愕の真実が浮かび上がる、第7回ミステリーズ!新人賞佳作「商人(あきんど)の空誓文(からせいもん)」。どんな賭けにも負けない少女の運命を描く「あれは子どものための歌」や、あらゆる傷を跡形なく消し去る医者の秘密を暴く「対岸の火事」ほか、全5編。魔女との契約で、不思議な力を得た彼らをめぐって起こる殺人や陰謀に、人間が推理の力で立ち向かう! 自在な語り口で本格ミステリの謎解きを描く、連作集。
内容説明
八年ぶりに因縁のある旅人と再会した料理人の話、飢饉に苦しむ国を救った商人の話、不思議なナイフで自らの“影”を切り離した男の話。一見関係が無さそうな三つのエピソードが並行して語られ、終盤でひとつになるとき、驚愕の真相が浮かび上がる!大胆な仕掛けと巧みに張り巡らされた伏線で、本格ミステリの謎解きを紡いだ、第七回ミステリーズ!新人賞佳作「商人の空誓文」。どんな賭けにも負けない力を得た少女、あらゆる傷を跡形なく消し去る名医…。この世の理に背く力に人生を狂わされる者たちの五つの物語と、その背後で進行する、国の存亡に関わる陰謀。架空の異国を舞台に、本格ミステリの興趣を巧みに織り込んだ、異色のミステリ連作集。
著者等紹介
明神しじま[ミョウジンシジマ]
1989年東京都生まれ。早稲田大学卒。在学中はワセダミステリクラブに所属。2010年「商人の空誓文」が第7回ミステリーズ!新人賞佳作となる。2013年に発表した「あれは子どものための歌」は、翌年、本格ミステリ作家クラブの年刊アンソロジーにも選ばれた。2022年、両作を含む連作短編集『あれは子どものための歌』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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