ミステリ・フロンティア
九度目の十八歳を迎えた君と

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  • サイズ 46判/ページ数 261p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488020088
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

通勤途中のホームで僕は、高校の同級生の姿を目撃する。あの十八歳の時の姿の彼女を――。僕が卒業してからもずっと十八歳のまま高校に通っているという。周囲も不思議とは感じないらしいが、彼女に恋した僕だけが違和感を拭えない。何が彼女をその姿に止めているのだろう? 最初の高校三年生の日々の中にその原因があるはず、そう推理した僕は同級生たちや恩師のもとを訪ねる。『教室が、ひとりになるまで』で注目の俊英が贈る、追憶と青春のミステリ。

内容説明

いつもの時間より遅めの九月の朝。通勤途中の駅のホームで僕は、高校の同級生・二和美咲の姿を目撃する。十八歳のままの姿の彼女を―。二和は僕が卒業してからもずっと十八歳の高校三年生として通学しているという。周囲も不思議とは感じないらしいが、彼女に恋をしていた僕だけが違和感を拭えない。何が彼女をその姿に留めているのだろう?最初の高校三年生の日々にその原因があるはずだと考え、僕はかつての友人たちや恩師のもとを訪ね、二和について調べ始めた。『教室が、ひとりになるまで』で注目の俊英が贈る、ファンタスティックで切ない追憶のミステリ。

著者等紹介

浅倉秋成[アサクラアキナリ]
1989年生まれ。2012年に『ノワール・レヴナント』で第13回講談社BOX新人賞Powersを受賞し、デビュー。日常の中に、不思議なエッセンスを効かせた独特の作風が注目を集めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

129
タイムリープ物のSFなのかな?と思いながら読み始めたけど違いました。それにしても周囲が違和感なく受け入れているというのはちょっと信じられなかったりした。小説なのだからそれもアリなのかな?十八歳のままの二和美咲に目が向いてしまうのは仕方なかったけれど、間瀬がまさかねぇ。。。と絶句しました。「たぶんこのことについて指摘してあげられるのは、世界中で私だけなんじゃないかと思うんだけど」ああ、なるほど。。。そうだったのかと納得しました。2021/11/18

ウッディ

104
向かい側のホームに立つ、かつて好きだった同級生・美咲を見かけた間瀬は、彼女が歳をとらず18歳のままの姿だったことに驚き、想いを残し、歳を重ねることができない理由を探して、過去と向き合う。「六人の嘘つきな大学生」が面白かったので、手に取った一冊は、SFっぽい設定でありながら、青春ミステリーのような内容で、こちらもなかなか面白かった。冴えない新聞部の主人公の想いが切なく、あの頃の気持ちを思い出しました。どんでん返しを繰り返し、伏線がきれいに回収されていく感じも良かった。今後、追いかけたい作家が増えました。2022/11/01

aquamarine

95
本来なら年を取るということは誰にでも平等にやってくるものですが、彼女はずっと18歳のまま高校に通っているらしい…。物語は彼女の最初の同級生だった間瀬の現在と過去の回想を交互に描き、ただの青春ミステリではなくなっています。誰もが通ってきた今思えば狭い世界の居たたまれなくも思う18歳。前半は意外と淡々と進むのですが、想像とは違う読後感が待っていました。この本で紡ぎだされる「年齢を患う」という言葉がリアルでとても哀しいです。想像の一歩先にあった真実に驚くとともに実はしっかりとはられていた伏線にも驚かされました。2019/09/20

buchipanda3

90
なるほど、これはまさに青春小説。ミステリやSFの要素もあるけど、それは大人になろうとする若者が避けて通れない特別なものを描くための手段だったのではと読み終えて思った。18歳で年齢が止まったかつて好きだった同級生の謎を解くために、間瀬は自分の過去を振り返り、昔の友人を訪ね歩く。真相へ近づく証言を聞きながら、そこで見せられたのは実は昔と今で変わっていたみんなの姿だったのでは。年を重ねるだけで自動的に大人になるわけじゃない。そしてどの年齢からでも自分の思い描きたい姿に気付けるはず。教頭先生との会話が良かった。2019/08/08

sayuri

85
SFやファンタジー系が苦手なのでタイトルを見て躊躇していたけれど、丁寧に描かれた青春ミステリーだった。主人公の間瀬が高校生の時に恋をしていた相手は同級生の二和美咲。間もなく30歳になろうとしている間瀬が、出勤前の朝、向かいのホームに美咲の姿を目撃する所から物語はスタートする。18歳のままの姿で高校に通学している美咲。間瀬はかつての友人達や恩師の元を訪ね、年齢に潜む謎を探って行く。有りえない話なのだが、真相に迫って行く段階で、高校時代の夢や挫折や葛藤と、社会人のリアルに触れ、切なくも温かい読後感を味わえた。2019/07/25

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