東京創元社・ミステリ・フロンティア
現代詩人探偵

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488017903
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

とある地方都市でオフ会を開いた、『現代詩人卵の会』のメンバー9人。約束を交わし訪れた10年後の再会の日、当時書いた詩から「探偵くん」と呼ばれる僕は、メンバーのうち4人が自殺したことを知る。彼らはなぜ死ななければならなかったのか。詩を書いて生きることは不可能なのか。疑問を抱いた僕は、彼らの死の謎を探り始めるが……。史上最も切ない動機で謎を追う、孤独な探偵が見た真実とは? 気鋭が描く初のミステリ長編。

内容説明

とある地方都市で、「将来的に、詩を書いて生きていきたい人」が参加条件のSNSコミュニティ、『現代詩人卵の会』のオフ会が開かれた。互いの詩の合評を行い、現代詩について存分に語り合った九人の参加者は、別れ際に約束を交わした。「詩を書いて生きる志をもって、それぞれが創作に励み、十年後に詩人として再会しよう」と。しかし約束の日、集まったのは五人。ほぼ半数が自殺などの不審死を遂げていた。なぜ彼らは死ななければならなかったのか。細々と創作を続けながらも、詩を書いて生きていくことに疑問を抱き始めていた僕は、彼らの死にまつわる事情を探り始めるが…。生きることと詩作の両立に悩む孤独な探偵が、創作に取り憑かれた人々の生きた軌跡を辿り、見た光景とは?気鋭の著者が描く初のミステリ長編。

著者等紹介

紅玉いづき[コウギョクイズキ]
1984年、石川県生まれ。金沢大学卒。2006年『ミミズクと夜の王』で第13回電撃小説大賞“大賞”を受賞し、07年同作でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takaC

120
この物語を読んでいる間中、つらくて苦しい、と思い続けました。2016/10/04

ゆんこ姐さん@文豪かぶれなう

88
ある地方都市で、SNS上の詩のコミュニティのオフ会が開かれた。主人公、探偵くんは九人の中の一番若い15歳として、オフ会に参加する。10年後の同じ日付、同じ場所でまた会おう、彼らはそう約束するが、10年後、再開した時、参加者の4名が既に亡くなっていた。自殺なのか、事故なのか。詩とは死とは何か。死してやっと詩人と言えるのか。探偵くんは、亡くなったメンバーの最後を探偵しようとする。そのエピソードが後半に至るにつれて重くなってゆく。「僕は誰だ?」の言葉が重い。小説で同じ事を思ったティーンエイジの自分を思い出した。2017/05/03

ひめありす@灯れ松明の火

78
怪盗は死んで名を残す。詩人は死んで始めてその価値を識る。宮沢賢治の詩集は生前唯二冊しか売れなかった。金子みすずの詩が脚光を浴びたのは死の間際だった。だから詩人になったからには死ななければならぬ。貴方は何として死にたかった。詩人として死にたかった。ただ人として死にたかった。貴方は誰として生きたかった。詩人として生きたかった。唯人として生きたかった。辛い。辛い。産みの苦しみは死の苦しみよりはずっと。生れど詩の喜びは死の喜びよりもずっと。ここがはじまり。十年後にまた、詩だけを、死だけを、志だけを書いて再会しよう2016/05/30

ゆかーん

69
「命を懸けて書きたい言葉がある」、そのためなら、あなたは死ぬことを選べますか…。『現代詩人卵の会』のオフ会に集まった9人は、10年後の同じ日にまた再開しようと約束します。しかし、10年後に集まったのは5人のみ。ほぼ半数の人が謎の死を遂げている事実を知った僕は、「探偵」として彼らの死の原因を追究します。命を削りながら紡ぎだした言葉には、詩人の生み出した「死」という魂が宿っているように感じます。生きているからこそ実感できる、詩人たちの紡ぎ出す「死の中に潜む詩」の軌跡を辿る物語に、引き込まれること必見です。2016/06/14

のぶ

68
個人的に、今まで詩集というものをほとんど読んだことがない。詩人を挙げろと言われたら、谷川俊太郎さんか小池昌代さんぐらいしか出てこない。その作品はと聞かれたら???。自分の認識はそんな程度だ。そんな馴染みのない詩の世界にミステリーという形で誘ってくれた本だった。詩のSNSのオフ会で集まった9人は10年後の再開を約束したが、集まったのは5人。他は不審死を遂げていたという謎を追う話。各章の頭に詩が置かれ、それを中心に進む。ミステリーの要素は弱いが、詩の醸す他にない独特の世界を味わうことができた。2016/04/26

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/10433640
  • ご注意事項