出版社内容情報
男を翻弄する女子大生、ゼミの同級生たち、そして彼女のストーカー。愛憎の縺れの果てに、嵐に閉ざされた孤島で惨劇が起きる──衝撃の真相が待ち受ける直球のフーダニット。
内容説明
石元陽菜は愛らしい笑顔で人気の女子大生。彼女に好意を寄せる男たちは、気を惹くために重大な『秘密』をつい打ち明けてしまうが、陽菜の本性は、男をいいように操って己の利益をはかろうとする、極めて自己中心的なものだった。ここ最近執拗にかかってくる無言電話に、陽菜は苛立ち怯えていた。堪えかねた陽菜は相手を口汚く罵り、挙句に男たちから聞いた『秘密』をぶちまけて憂さを晴らすようになる。一方、電話の向こうの『ストーカー』は衝撃を受けていた。信頼して話した俺の『秘密』を、誰ともわからぬ相手に暴露するなんて…。裏切られた怒りはやがて殺意となり、『ストーカー』はゼミ旅行の目的地である絶海の孤島で陽菜を殺害することを決意する。嵐の孤島、錯綜する人間関係、閉鎖空間の殺人―「まさに本格」という要素から想像を超えた驚愕の真相を導き出す、新鋭の剛腕に驚嘆せよ。
著者等紹介
田南透[タミナトオル]
作家。公務員として児童福祉から消防を含む各方面の事業に携わる。『翼をください』で小説家としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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こっぺ
20
こ、こんな問題だらけのゼミ合宿、本当に嫌だ。一人一人が事情を抱え過ぎていて、被害者石元陽菜ちゃんはかなりの性悪具合だったけれど、後半はそれも霞んでくる。台風で隔離された島から、謎解き部分では皆帰宅してしまっていて、拍子抜け。どの要素も魅力的だけに、存分に生かし切れてない感じが残念である。方向的には好みなので、これからに期待したい。【図】2012/05/23
もち
18
「こう言っていました。飛べ、飛べ、飛べ、と」◆暴風が吹き荒ぶ嵐の孤島で、傲慢な女子学生は殺された。胸に装飾が施された遺体に、防御創は一切無い。凶行の間、意識はあったにも関わらず――。彼女を追いこんだ『ストーカー』の正体に迫る。■孤島に人間ドラマに装飾殺人と、個々のパーツは類型的典型的ミステリのそれ。ここに一捻りも二捻りも加わることで、癖の強い作品に。タイトルが腑に落ちた後では、ただのフーダニットとしては見られない。2015/04/18
ぐっち
18
台風のさなかの離島で、調査に来ていた大学生殺された!13人の中で誰が犯人なのか…。さすがミステリ・フロンティア、犯人当てに真っ向勝負で、久しぶりに当てにいきました!嫌過ぎる陽菜ちゃんが殺されて、内心ほっとしたのもつかの間、犯人も嫌過ぎる~。ところで、九州出身の私にとって、同じ九州出身設定の登場人物たちが、離島で台風のさなかにばらばらでほっつき歩くのが一番謎でした。2012/05/31
よしりん
14
初読みの作家さん。とても読みやすく先も気になったからサクサクと一気読み。結末がイマイチすっきりしなかったけどまぁ面白かった。それにしてもみんな秘密ありすぎだわ。2017/08/11
むつぞー
14
クロ-ズド・サ-クルの本格ものと思っていたら、違いました。 ゼミ旅行前→ゼミ旅行の事件→帰ってから…と、島の部分は事件だけです。 しかも景太、被害者である陽菜、それから色々な人々の視点から物語が描かれるので、特に被害者のイヤな部分が最初からあって同情もできませんし、中盤も人の思いが結構ドロドロした部分があるので、読後感も良いとはいえないでしょう。 しかしラストの部分はインパクトがあって、これのためにこの物語はあったのではないかしら? いろいろ気になる部分もあるのだけど、今後の作品に期待したいと思います。2012/03/01
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