内容説明
同一書籍に四件の取り寄せ依頼。ところが連絡を入れると、四人が四人ともそんな注文はした覚えがないと…。「ファンの正体を見破れる店員のいる店でサイン会を開きたい」―若手ミステリ作家のちょっと変わった要望に、名乗りを上げた成風堂だが…。駅ビル内の書店・成風堂を舞台に、しっかりものの書店員・杏子と、勘の鋭いアルバイト・多絵のコンビが、書店に持ち込まれる様々な謎に取り組んでいく。短編五本を収録した本格書店ミステリ、好評シリーズ第三弾。
著者等紹介
大崎梢[オオサキコズエ]
東京都生まれ。神奈川県在住。2006年、短編集『配達あかずきん』でデビュー。元書店員ならではの目線と、優しい語り口、爽やかな読後感で注目を浴びる期待の新鋭(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もりのくまお
145
成風堂シリーズ3作目。多絵ちゃんの推理に感じる杏子さんの「じれったい、分かりやすく説明して」という展開は、読者も感じるように思えて大崎さんは意図的に書いているのかなと感じました。多絵ちゃんが推理に至る伏線がもっと丁寧に描かれていれば読者も楽しめる面白いミステリーになると思いました。雑誌の付録は書店さんが処分してるなど本屋トリビアは十分楽しました。個人的には表題作よりも「ヤギさんの忘れもの」が温かな最後で好きです。蔵本が置き忘れてた探し物が意外な場所にあった展開は実際にあった話のようなリアルさを感じました。2013/10/20
ゆみねこ
89
シリーズ第3弾も安定の面白さ!タイトルの「サイン会はいかが?」が良かったです。「君と語る永遠」「ヤギさんの忘れもの」も好き。多絵ちゃん、ますます推理が冴えてますね。不器用なところもご愛敬。2014/09/30
ヨミー
88
成風堂書店シリーズ第3弾。やはり短編集に戻って読みやすくてよい。多絵ちゃんの名推理ぶり、勿体振りも健在。書店員たちの表には見えない大変な仕事内容が具体的でわかりやすくしることができた。図書館利用中心ですが、たまに行く書店での見方が少し変わりそうな感じです。どの章も面白かったが、やはりページが多く割かれた表題が一番良かったです。続編あれば、また他シリーズも読んでみたいです。2016/09/23
とし
87
成風堂書店事件メモ「サイン会はいかが?」3巻。主は多絵さんだろうけどピシッと杏子さん多絵さん杏子さん絶妙の絡みでいいコンビですね~「本屋限定」探偵さん次は無いのか?2014/08/20
しろいるか
87
成風堂シリーズ第3弾。やはりこのシリーズは短編の方がいいとあらためて思った。年々ゴージャスになる雑誌の付録に頭を悩ませつつの紐掛けや、華やかなサイン会の裏で客の安全性や満足度に苦慮している裏方の仕事ぶりなど書店員の日常を知ることができ、頭が下がる思い。亡父を思い書店にたたずむ少年を描いた『君と語る永遠』には胸が切なくなった。2010/04/27