内容説明
以前成風堂にいて、今は故里に帰り、地元の老舗書店に勤める元同僚の美保から、杏子のもとに一通の手紙が届いた。勤務先の宇都木書店、通称「まるう堂」に幽霊が出るようになり、店が存亡の危機に立たされている、ついては名探偵のアルバイト店員を連れて助けに来い、というのだ。杏子は気が進まぬながら、多絵を伴って信州の高原へと赴く。そこで待ちかまえていたのは、四半世紀ほど前に弟子の手で殺されたという老大作家の死に纏わる謎であった…!「本の雑誌」二〇〇六年上半期ベストテンの堂々第二位に輝いた「配達あかずきん」で今もっとも注目を集める著者、初の長編推理小説。
著者等紹介
大崎梢[オオサキコズエ]
東京都生まれ。神奈川県在住。『配達あかずきん』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆみきーにゃ
92
《図書館》成風堂書店シリーズ2作目。今回は長編。杏ちゃん、多絵ちゃんの活躍はすっごく楽しめましたが犯人の動機が普通すぎる気が、、、次作も楽しみ。2015/06/29
しろいるか
84
成風堂書店員の杏子&多恵が、いつもの店を離れ、元同僚が勤める長野県の書店『まるう堂』で起こった事件の解決に乗り出す話。『配達赤ずきん』と違って長編だったのだが、中盤、関係者を辿っていくあたりが冗長で少し飽きてしまった。しかも早い段階から多恵には真相が解り始めていたようなのに、勿体ぶってて少しも明らかになっていかないので、杏子同様ずいぶん焦れた。そうかと思うと浅い伏線で真犯人とやらも途中でわかっちゃったし・・。このシリーズは長編より短編連作の方がいい。次は短編集だそうなので期待してます。2010/02/17
ヨミー
83
大崎梢作品2作目。成風堂シリーズ第2弾。この晩夏の時期にあわせてようやく読めました。今回は出張の長編もので、書店を飛び出し長野の老舗書店へ。27年前の殺人事件を解決してしまうのはあっぱれだが、少し中間が長く感じて読むスピードは上がらなかったが、本や書店への愛情が込められておりよかったです。ただやはり書店内での日常のミステリー短編集の方が好みです。次は短編集みたいなのでまた期待して読みたいです。2016/09/02
とし
83
「配達あかずきん」に比べると少し事件が重すぎる感ありだが、読みやすく楽しく読むことが出来ました。杏子さんと多絵さん、主役は多絵さんの様だがしっかりと杏子さんの存在感ありですね。成風堂書店事件メモ(邂逅編)を読まないと。2014/06/16
だんたろう
64
うーん、微妙。成風堂での日常の小さな謎解きと同じように、昔の大事件を解決するのに無理がある。小さな謎だから多恵ちゃんの謎解きで納得できるわけで、それと同じスタンスで数十年前の殺人事件を解決するのはどう考えても雑に思う。田舎の書店、多恵ちゃんの葛藤、殺人犯の動機、罪をかぶった理由、素材はあるけどメインはどれ?書店は背景程度に留めておいた方が、出張編としては面白かったように感じる。貴重な書店ミステリーは成風堂でしか成立しないのか。そうならば、他の書店があまりにもかわいそう。全国の書店のためにも、再出張希望。2011/01/06
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