内容説明
私に差し出されたのは「出口のない部屋」という題名の原稿。「読ませていただいてよろしいですか?」彼女はロボットのように無表情のまま頷いた。それは、一つの部屋に閉じ込められた二人の女と一人の男の物語だった。なぜ、見ず知らずの三人は、この部屋に一緒に閉じ込められたのか?免疫学専門の大学講師、開業医の妻、そして売れっ子作家。いったいこの三人の接点はなんなのか?三人とも気がつくと赤い扉の前にいて、その扉に誘われるようにしてこの部屋に入ったのだった。そして閉じ込められた。『密室の鎮魂歌』で第14回鮎川哲也賞受賞の岸田るり子が鮮やかな手法で贈る、受賞第一作。
著者等紹介
岸田るり子[キシダルリコ]
1961年京都市生まれ。パリ第七大学理学部卒業。2004年に『密室の鎮魂歌』で第14回鮎川哲也賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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らむり
37
なるほどー。意外な仕掛けにびっくりです。全部つながってました。ちょっと気持ち悪いシーンもありますが、読みやすいミステリーです。岸田さんらしく、フランス・京都・理学は、やっぱり出てきますね(笑)2014/06/01
ブルームーン
26
期待値が低かったので(スミマセン・・・)、意外な展開にビックリし途中からは一気読み。まったく接点のない男女3人が謎の部屋に閉じ込められるところから物語が始まる。3人はなぜ自分達が閉じ込められているのかを探る為、お互いの身の上話を語るが、まったく接点が分からない。内容的には盛りだくさんな印象で途中混沌としてくるが、最後にはきちんと収まりがついていく。後味はあまりよくないけど。2014/07/17
アーユルヴェーダ@五郎丸 進
16
登場人物が魅力の無いのばかり題名に惹かれ読んだか物足りなさを感じた2015/08/06
miiiii
7
初めて読む作家さん。題名が気になって読んでみたけど文章が読みやすくてすぐに読み終わった1冊。読み終わってみて成る程なぁ、と。岸田さんの他の作品もちょっと気になるところ。2012/04/18
saku
4
いや〜面白かった!どこからどこまでが繋がっているのかと考えながら読んでいたけれど、まさかすべてが繋がっていたとは...。すごく自分中心な姉だと思っていたけれど、最後はとても良い役だった。一気に読んでしまいました。2013/11/03