内容説明
母のスミエに紹介されて、向かった先は風格のある寄せ棟造りの立派なお屋敷。そこで泉水を待っていたのは、一人暮らしの優雅な老婦人と、気のよさそうな通いの家政婦だった。亡き夫が残した本を朗読してほしいという老婦人の依頼に悪戦苦闘する泉水は、この屋敷に頻繁に無言電話がかかっていることを知る。裏には怪しい少年たちの存在が?(第三話・八月の熱い雨)。ひとりで便利屋“ダブルフォロー”を営む青年・皆瀬泉水が出合う奇妙な謎と、依頼人たちの悲喜交々の物語。小説推理新人賞受賞作家が放つ、ハートウォーミングな連作集。
著者等紹介
山之内正文[ヤマノウチマサフミ]
1955年宮崎県生まれ。2001年、「風の吹かない景色」で第23回小説推理新人賞を受賞してデビュー。同年発表の受賞第一短編「エンドコール メッセージ」で早くも日本推理作家協会賞にノミネートされる。02年、前記二作品を収録した作品集『エンドコール メッセージ』を刊行し、04年には初長編『青い繭の中でみる夢』を発表。人間の哀しみや脆さを、厳しくも温かな視点で描き注目される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キートン
2
謎とその解決というミステリーを読んでいるというよりも、悪人が出てこない良い話を書きましたという、道徳の教科書を読んだような読後感。 主人公を始め、登場人物の誰にも感情移入できなく、個人的にはイマイチな作品だった。2017/05/19
zazo嶋
2
なんとなく意地になって読んでるミステリフロンティア。読んでいるというより集めてる感覚に近い(笑)。 基本的には好きな設定とストーリーなんですがイマイチ響いて来ない...。何かが足りないんですよね...敢えてなのかもしれないですが、決め決めのグッとクる台詞や、描写で感情を煽って欲しかった...。 ほっこり暖かいストーリー展開の割りにはサラリと読み飛ばしてしまいそうなドライな感覚は個人的には勿体なく、物足りないー。2009/09/14
はる
1
便利屋ダブルフォローを経営する皆瀬泉水の物語。普段は、犬の散歩や、庭の草刈、お墓参りの代行などをしているが、面倒見の良い泉水の元へ時折やってくる「ちょっと気になる依頼」。バイク乗りのおじいちゃんが急に元気がなくなった。自分たちが遊園地でデートする姿をビデオ撮影してほしい。老婦人に読み聞かせをするだけで2時間3万円の破格の仕事。家の中がゴミで埋もれている家庭の小学生の娘からのヘルプ。恩師の郵便将棋の相手が行方不明に。。。 泉水の嫌味のない優しさが、事件を解決していく。泉水君、頑張れ~。2012/10/26
葉月94
1
レーベル読み。「ハートウォーミング」な話は好き。この本の内容で、心が温まったかと言われると、どうかなぁ。絶え間なく依頼があるとは思えないのだが、何がきっかけで便利屋をやることになったのだろう。25歳で。一人で。この直前に読んだミステリ・フロンティアの悪人が、大嫌いなタイプだったので、犯罪のない日常の謎の話で、のんびりできました。、2012/08/28
あかねがくぼ
1
本紹介にある「ハートウォーミングな連作集」の記述通り。ミステリフロンティアってこの手の小説が好きだねえ。2011/11/28
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