内容説明
優等生の委員長と不良少女の淡い恋。できすぎたシチュエーションかもしれないけれど、すべてはそこから始まった。彼女が自力で自分の人生を立て直すことができたなら、十年後、あるものを渡そう―そして十年が過ぎ、約束の日がやってきた。しかし彼女は姿を見せず、代わりに彼女の夫と名乗る人物が現われる。彼女は三年前から行方がわからなくなっていた。居場所を捜し出そうと考えたとき、協力者として僕の脳裏にひとりの同級生が思い浮かぶ。かつて僕に、マッチブックの格好良い火の点け方を教えてくれた男が―約束を果たすため、ニューヨークの「暗闇」から帰ってきた青年が巡り合う少年少女たち、そして最高の「相棒」。期待の俊英が放つ、約束と再会の物語。
著者等紹介
小路幸也[ショウジユキヤ]
1961年北海道生まれ。広告会社退社後、ゲームシナリオの執筆に携わる。2003年、『空を見上げる古い歌を口ずさむpulp‐town fiction』で第29回メフィスト賞を受賞してデビュー。少年たちを主人公にしたノスタルジックな味わいのファンタジー、あるいは青年たちを活写した青春小説の書き手として注目を集める
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感想・レビュー
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ゆみねこ
57
優等生の委員長と不良少女ヤオ、卒業式の10年後の約束を交わしてその時を迎えた。約束の場所にいたのはヤオの夫と名乗る男で彼女の失踪を告げる。五条辻家の物語と交互に展開し、最初は戸惑ったけれども一気に読めました。ちょっと哀しいエンディングになったけれども、続編も読んでみたいと思います。2014/10/15
紫綺
40
あらあら!?そう来たか~っ、という展開。意外性を狙ったのだろうが、小路作品はハートウォーミングな形で終わって欲しかった。ま、ボリュームを感じさせない内容で満足。蛇足ながら、坂木さんの「青空の卵」に雰囲気似てるな、と思った。2011/04/23
スケキヨ
33
初、小路幸也作品。ラスト手前まで爽やかミステリだと思っていましたが、ラストの種が少しづつ明らかになって来ると共に、私の「ハートビート」も物凄い事に。巡矢が、「HEART BEAT」の意味を説明した時の気付かせないように涙を拭いた動作が直結して、思わず泣きそうになりました。続編もあるようなので是非読みたいです。2011/04/14
おれんじぺこ♪(16年生)
31
意外な結末に驚きがあったけれど、面白かった。2つの出来事(事件?)が絡みあい、両サイドから徐々にその2つが近づいて、結びつく行程がよい。委員長…なんか切なかった。2015/09/17
ぶんこ
22
最後が、せつない。 委員長が可哀相すぎます。 家柄、資産が幸せの元にはならないと、考えさせられました。 心配する誰かが居る、心配してくれる誰かが居る幸せに気付きました。2014/01/23