東京創元社・ミステリ・フロンティア
消えた山高帽子―チャールズ・ワーグマンの事件簿

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  • サイズ B6判/ページ数 280p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488017040
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

西洋幽霊と日本の幽霊が連続して目撃された怪異。白装束を纏って剣を腹に突き立てていた吝嗇な英国人。歌舞伎役者を巻き込んだ山高帽子盗難の謎。鉄道開通に沸く観衆の中で叫び声を上げた女の悲しい過去。教会堂内で起きた密室状況下の怪死事件。―明治六年、横浜居留地に英国人名探偵、颯爽と登場。愛すべき医師ウィリスをワトスン役に、西洋と日本の文化が交錯する不可思議な事件の数々を鮮やかに解決へと導く新聞記者ワーグマンの活躍を描いた、小説推理新人賞受賞作家初の連作ミステリ。

著者等紹介

翔田寛[ショウダカン]
1958年東京都生まれ。2000年、「影踏み鬼」で第22回小説推理新人賞を受賞してデビュー。同年発表の受賞第一短編「奈落闇恋乃道行」で早くも日本推理作家協会賞にノミネートされる。謎解きの面白さと余情を融合させた独自の作風を持ち、作品数は少ないながらも高い評価を受けている
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

朱音

6
明治6年横浜、という舞台をうまく使って描かれる雰囲気がよい。主人公を在留外国人としたことで読者の「その時代の日本に対する非常識」が自然に物語りに溶け込んでいるような気もする。ミステリとしても上々で、公表された答えと違う所に真実が、みたいな形式は捕り物帳の「大岡裁き」みたいで人情モノでもあるのだよね。軽く読みやすく読後感良し。こういう感じで続編でないかな?2010/09/12

oyai

4
実在の人物を探偵とした短編集。一つ一つの解決はよく考えられていて読みやすい。ただやはりもう少し時代色がかきこまれていればなあ。2013/10/08

ターナー

2
明治初頭、横浜で起きる様々な事件を、イギリス人新聞記者のワーグマンがスマートに解決していく連作ミステリです。まだ完全に近代化仕切れていない頃の横浜の雰囲気、人々の生活や文化がお話の良いスパイスになっています。探偵役のワーグマン自身が日本に精通しており、事件に関わる日本人と西洋人それぞれの思考や行動を中立の立場で見つめているところに好感が持てますし、事件の幕引きにも優しい配慮を感じます。ワトスン役のウィリスもお茶目で、ナイスコンビ。三木笙子氏の帝都探偵絵図シリーズが好きな方にはおすすめです。2012/02/06

彩也

2
新聞記者チャールズ・ワーグマン(実在の人物)が、明治初頭の横浜で遭遇する不思議な事件いろいろ。まず、事件が殺人から幽霊の目撃談まで多種多様、そこに仇討ちやら歌舞伎やら日本的なものが混じり、独特な空気を作っている。新聞記事の形式で提示される「無難な解決」と、事件関係者が救済される「本当の解決」の二種類が用意されているのは面白い。「そうきたか!」と言いたくなるトリックが、ラスト数行で暴かれるのも、楽しい。2010/08/07

クローカ

2
小説。明治六年を舞台にした歴史ミステリ。派手さは無いけどこれは凄い!舞台設定に関する緻密な筆致と、人物に関する軽妙でありながらしっかりと芯の通った描写。トリックも唸らされるものが多く、文句なしに面白い作品でした。表題作が好きかな。2010/05/10

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