海外文学セレクション<br> ライフ・アフター・ライフ

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海外文学セレクション
ライフ・アフター・ライフ

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  • サイズ 46判/ページ数 566p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488016753
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

アーシュラは臍の緒が首に巻きつき、産声もあげずに死亡した。しかし、もし死ななかったとしたら……。幾度も生まれ、様々な死を迎え、幾つもの別の生を生きる一人の女性。スペイン風邪で、溺れて、屋根から落ち、ロンドン大空襲で……、デジャヴュとは生き続けられなかった生のかすかな名残なのだろうか? 運命のすべてを受け入れる〈アモル・ファティ〉の考え方に正面から挑む、人生の分かれ道について考えさせられるコスタ賞受賞の傑作!

内容説明

1910年の大雪の晩、アーシュラ・ベレスフォード・トッドは生まれた。が、臍の緒が巻きついて息がなかった。医師は大雪のため到着が遅れ、間に合わなかった。しかし、アーシュラは、同じ晩に再び生まれなおす。今度は医師が間に合い、無事生を受ける。同様に、アーシュラは以後も、スペイン風邪で、海で溺れて、フューラーと呼ばれる男の暗殺を企てて、ロンドン大空襲で…、何度も何度も生まれては死亡する、やりなおしの繰り返し。かすかなデジャヴュをどこかで感じながら、幾度もの人生を生きるひとりの女性の物語。ウィットと慈しみに満ち、圧倒的な独創性に驚かされる比類なき傑作。コスタ賞受賞作。

著者等紹介

アトキンソン,ケイト[アトキンソン,ケイト] [Atkinson,Kate]
1951年、イギリス・ヨーク生まれ。ダンディ大学で英米文学を専攻。修士号取得後は職業を転々とした後、ダンディ大学の英語教師に。1986年、雑誌『ウーマンズ・オウン』の短編コンペで優勝。1993年、イアン・セイント=ジェイムス賞を受賞。1995年、初長編である『博物館の裏庭で』でウィットブレッド文学賞(現在の名称はコスタ賞)を受賞。『ライフ・アフター・ライフ』もコスタ賞受賞。さらに同書と対をなす作品といわれるA God in Ruinsでもコスタ賞を受賞している

青木純子[アオキジュンコ]
1954年生まれ。早稲田大学大学院博士課程満期退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

89
「もしもぼくたち人間に、人生を何度もやりなおすチャンスが与えられるとしたらどうかな? 正しく生きられるようになるまで何度も繰り返せるんだ。そうなったら素敵だとおもわない?」のエピグラフ。死んでは何度も生まれ変わる女性アーシュラを主人公に描いたループ小説だ。1910年の雪の日の生誕に始まり、ザ・ブリッツ(ロンドン大空襲)で闇が降りるものの、すんなりとは終わらない。いくつもの物語が時系列もばらばらに連なり、ヒトラー暗殺を企てる異次元の話まである。エンドレスで収束には至らず、途中で飽きてくる。→2023/05/03

ヘラジカ

79
同じ人間の生を、前世の僅かな記憶と共に繰り返し生きる女性の物語。死後転生を扱ったありきたりな設定ながら圧倒的密度で魅せられる。細部へのこだわりから些か冗長に感じられる部分がないではないが、その分SFや幻想文学という枠に収まらない、戦時下イギリスを舞台にした大河小説としても非常に完成度が高かった。これからはデジャヴを感じるたびにこの作品のことを思い出さずにはいられないだろう。姉妹篇(正確には姉弟篇)であり、同じくコスタ賞を受賞した作品も邦訳が楽しみである。2020/05/29

キムチ

68
冒頭のショッキングな風景❕設定も解らぬまま読んで行くが、チンプンカンプン。何度も挫けそうになる気持ちを奮いたたせ 何とか尾根の稜線へ。そこからは素晴らしき情景。元来SFが嫌いな私、苦手ともいえる程 昔から敬遠気味。だからループ物という語も初めて知った。後半3割を残す辺りは、一気読み 燃えた。頁を閉じるのが惜しい、もう一度読みたいと言う余情。感動というより 生老病死、デジャブ、人生という街道を重い荷物を背負いつつ歩みを進める宿命。岐路,歴史のIFを再考させられる。表示年代が情景の標識であり、その時々の歴史を2020/08/01

ちゅんさん

52
はじめは慣れないループものに苦戦し読みづらかった。でも次第に"闇が下りる"待ちになり、次はどう生きるんだろう?と楽しんで読めた。生き直せることはいいことなのか、生死を繰り返す意味などは正直よくわからなかったけど懸命に生きるアーシュラに心揺さぶられた。分量といい描かれた時代背景といい複雑な構成といい大河小説のような大作。2021/01/18

星落秋風五丈原

49
1930年11月、閣下と呼ばれる男に向って、英国人女性が銃を向ける。銃を撃った彼女自身の前にも「闇が下りた。(Darkness fell.)」1910年の大雪の晩、アーシュラ・ベレスフォード・トッドは生まれた。が、臍の緒が巻きついて息がなかった。医師は大雪のため到着が遅れ、間に合わなかった。えっ、これで終わり?冒頭のシーンに繋がらないの? 冒頭シーンに繋がる過去の回想が延々と続くのが通常パターンなので、まず、ここで読者は面食らうはずだ。心配ご無用。再び、みたび、何回も、アーシュラ出産の雪のシーンは登場。2020/07/08

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