海外文学セレクション
地球の中心までトンネルを掘る

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 312p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784488016586
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

ほんの少し「普通」から逸脱した日常を送る人々を描いた11編が、不思議としみじみした余韻をもたらす短編集。シャーリイ・ジャクスン賞、全米図書館協会アレックス賞受賞作。

「替え玉」
「発火点」
「今は亡き姉ハンドブック:繊細な少年のための手引き」
「ツルの舞う家」
「モータルコンバット」
「地球の中心までトンネルを掘る」
「弾丸マクシミリアン」
「女子合唱部の指揮者を愛人にした男の物語(もしくは歯の生えた赤ん坊の)」
「ゴー・ファイト・ウィン」
「あれやこれや博物館」
「ワースト・ケース・シナリオ株式会社」

内容説明

「あなた」だったかもしれない人たちの物語。代理祖父母派遣会社で「祖母」を演じる女性、折りヅルを使う遺産相続ゲームに挑む男たち…どこにでもいそうな人々が送る、ほんの少しだけ「普通」から逸脱した日常。シャーリイ・ジャクスン賞、全米図書館協会アレックス賞受賞作。

著者等紹介

ウィルソン,ケヴィン[ウィルソン,ケヴィン] [Wilson,Kevin]
テネシー州スワニー生まれ。フロリダ大学美術学修士課程修了。2009年、さまざまな雑誌・書籍に発表した短編をまとめた『地球の中心までトンネルを掘る』を刊行。この第一短編集でシャーリイ・ジャクスン賞、全米図書館協会アレックス賞を受賞する。現在はスワニーにあるサウス大学で英文学の准教授を務めながら作品を発表している

芹澤恵[セリザワメグミ]
成蹊大学文学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

170
読み友さんの感想を見てやっと読んだのですがすごい短編作品ばかりです。感動モノが多く私はこの作家がいっぺんに好きになってしまいました。私の悪い癖ですぐにこのようないい作品に出合うと原書を購入したくなります。前にもアリステア・マクラウドを紹介してくれて原書で読んでいます。これもそれくらいの価値はある作品集です。2016/05/31

chiru

94
『ディスコミュニケーション』がテーマの短編集。変わり者として危険視される12歳の少年だけに心を許す16歳の少女の話が好き。不器用に心を通わせるシーンが、優しくて切なくて泣きたくなる。誰とも関わらずに生きることは不可能で人生は平等ではないけど、投げられたボールのすべてをキャッチできなくても、大切な人のボールだけキャッチすればいい、というメッセージがこめられた作品。“正しさ”は、キャッチできずおろした手を黙って握ってくれる人のそばにあるかもしれない。シスコン少年が書く亡き姉のトリセツも可愛いです。 ★4.52019/03/06

はたっぴ

84
どの短編もユニークで、著者の発想力に感心してしまった。個性豊かな作品はどれも読後感が異なるが、後書きの明朗な謝辞に著者の人柄が表れているようで、清々しい気持ちになった。途中、思い出したのは過去に経験したほろ苦い出来事や、若い頃にやらかした数々の失敗だ。大人になり、代わり映えのしない毎日でも、心のアルバムには人生の悲喜交交を記録している。子供時代は繊細で神経質だったが、失敗を重ねるうちに打たれ強くなり、鷹揚に考えられるようになった。小説のネタにもならない人生だが幸せだ。こんな素敵な本を読めるのだから。2016/06/15

星落秋風五丈原

68
クイズ番組が大好きな男子生徒二人は、ある日お互いに問題を出しあっているうちに、偶然唇が触れてしまう。一方は驚き、一方は何だか別の世界に目覚めてしまったような顔だ。出会う毎に違和感を感じながらも、二人の行為は次第にエスカレート。ただ一つ問題が。この先どうすればいいのかわからない!『モータルコンバット』の二人の男子のみならず短編集に登場する人達は世の中とどうもうまくやれていない。おしなべて世間から「ちょっと変」と見られる。しかし彼等から見ると世の中の方がおかしい。そしてその見方が存外間違っていない。2015/09/13

R

65
SFめいた短編集でした。翻訳のおかげなのか、もともとの魅力なのか、どこか親近感を覚える雰囲気の内容で、後味の悪いものも、そこはかとない明るさをまとうものも、万遍なく楽しめました。題名作については、抽象化したときに理解できそうな、なんともいえない若い頃に味わう詰まりのようなものがリアルで、面白く読めました。ちょっとナード寄りというか、ヲタクっぽい物語の運びが、しっくりきて楽しく読めました。2016/08/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9789650
  • ご注意事項