海外文学セレクション
通訳

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488016487
  • NDC分類 973
  • Cコード C0097

内容説明

ジュネーヴの国際機関で通訳サービスの責任者を務めるフェリックス・ベラミーは部下から報告を受けた。16カ国語を操るひとりの通訳が、同時通訳中に異常をきたすという。問題の通訳は、「全生物が話す普遍言語を発見しかけているのだ」と主張するが解雇され、ベラミーに執拗につきまとったのち失踪を遂げた。彼の狂気は伝染性のものだった。うつされたベラミーは、奇怪な言語療法を受け、通訳が残した謎のリストを携え欧州中を放浪することに―。あらゆるものに隠れて鼓動する創造の恐るべき力。知的遊戯に満ちた、現代イタリア発幻視的物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三柴ゆよし

19
16カ国語を駆使する言語マニアの通訳に発症した感染性の言語障害により、愛も仕事も失った主人公が、発端となった通訳と言語障害の謎を追う旅に出る言語ミステリ……を読んでいたはずなのだが、物語はいつの間にか、人生のすべてを奪われた主人公が遠い異国の地で悪の道に堕ちていくクライム・ノベルへと早変わりしており、自分がいったいなにを読んでいるのか、その手掛かりすら喪失し、あたかも本書の主人公のごときあてどない彷徨を強いられた私を待ちうけていたのは、口にするのもおそろしい、あまりに衝撃的な結末なのであった。2012/03/17

mejiro

6
設定や謎は魅力的なのに…。途中から話が脱線し、本筋には戻るもののまさかの結末。まじめな国際公務員が道を外れて、奇妙な冒険をするというもうひとつのストーリーを楽しめるけれども。言語を巡るミステリではなく、不条理小説と思って読むほうがおもしろいかも。著者がEUの通訳・翻訳官で、人工言語「ユーロパント」の考案者だと知り興味深かった。言語に関するアイデンティティーは日本人が思うよりずっと切実な問題なのだと思った。2015/02/09

minoguchi

6
http://tinyurl.com/re9b92 の評にある「奇書」という言葉に惹かれて一読。「言語」の奥深さに貫かれた、生真面目さと奇妙さが入り混じるサスペンス風?のヘンなお話。言語療法のシーンでは、なぜか昔の不条理劇を連想してしまった。2009/05/19

ヴィオラ

4
なんだかとってもワクワクする粗筋に、嬉々として読み始めたんだけど…。なんだかなぁ(^_^;)ラストだけテンションがおかしくない?言語療法とか普遍言語とか、ラストに至るまでは結構楽しんで読めたのに(ノд<。)゜。言語うんぬんではなく、そもそも他者とのコミュニケーションに難のある主人公。なんだかアレコレ放ったらかしで、何事も無かったかのように暮らすラストはどうよ?!2012/05/02

仮ッ子

3
精神病院抜けたところから怒濤の展開・・・ええぇ?何で?的な。それでも引き込まれちゃいましたけども。母語は深くアイデンティティに関わるもの、と痛感した2009/03/15

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