内容説明
過去百年以上にわたり、だれひとり偶然訪れることのなかった、あるインディアン保留地。1992年、客はしかし突然現われる。毒を盛られて死んだはずの戦前ブルースマン、ロバート・ジョンスンなる男。悪魔に魂を売ったことで“ジェントルマン”追われに追われ、救いを求めてある女を探しているという。―その女なら、山の上に住むメディスン・ウーマンだ。インディアン青年が男をヴァンに乗せて送っいくと、ヴァンのなかには古ぼけたギターが残っていた。ときに鋭い音をたて、わめき、火花を散らすその異様なギターに翻弄されて、青年たちはインディアン・ロック・バンドを結成するはめになる。それは、閉ざされた保留地から未だ見ぬ新しい外の世界への旅立ちだった…。インディアンの伝統とポップカルチャーがクロスオーバーする現代の保留地を活写して話題を呼んだ、若きネイティヴ・アメリカン作家のデビュー長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiroizm
8
なぜか突然現れた、とっくの昔に死んだはずのブルース歌手ロバート・ジョンスンからギターをもらったインディアン居留地の若者達の、ロックバンドとしてメジャーを目指すすったもんだの物語。インディアン文化、八方塞がりの居留地生活、被差別者目線から見た米国社会をほろ苦いユーモアを交えて描いた快作。オチはいささか切ないけど、物語の展開のリズムよく読んでいて楽しかった。僕は知らなかったけれど、根強い人気作家で、日本語訳もまだまだあるみたい。機会があれば他の作品も読んでみたい。2019/04/29
yooou
0
☆☆☆☆★2005/02/05