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探偵小説と叙述トリック―ミネルヴァの梟は黄昏に飛びたつか?

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  • サイズ B6判/ページ数 342p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488015312
  • NDC分類 902.3
  • Cコード C0095

出版社内容情報

『容疑者Xの献身』の本格ミステリ大賞受賞をもって、第三の波は終わった。探偵小説を見守り続けた著者が叙述トリックに焦点をあて、「新本格」登場以降の探偵小説運動について語る!

内容説明

作者が文章的に仕掛けた、読者の認識の錯誤を利用し、読後の衝撃を大きくする、“叙述トリック”というテクニック。アガサ・クリスティー『アクロイド殺し』を筆頭に、探偵小説において何度となく使われてきたこのテクニックに焦点をあて、探偵小説における叙述トリックの必然性を描きだす。「本格ミステリ評論」を題材に行なった巽昌章、法月綸太郎との公開鼎談も収録した、十年にわたって雑誌連載し、三十回分ずつ単行本化されてきた評論の掉尾を飾る一冊。

目次

はじめに―第三の波の精神史
1 第三の波/最後の定点観測
2 言い落としと近代小説の亀裂
3 探偵小説と詭計的な語り
4 叙述トリックと探偵小説の無底性
5 戦後探偵小説と叙述トリック
鼎談 探偵小説批評の10年(笠井潔;巽昌章;法月綸太郎)

著者等紹介

笠井潔[カサイキヨシ]
1948年東京生まれ。79年にデビュー作『バイバイ、エンジェル』で第6回角川小説賞を受賞。以降『サマー・アポカリプス』『薔薇の女』他、矢吹駆を主人公としたシリーズなど数多くの小説を発表する傍ら、精力的な評論活動を展開。98年『本格ミステリの現在』編纂で第51回日本推理作家協会賞受賞。2003年の第3回本格ミステリ大賞では『オイディプス症候群』で小説部門を、『探偵小説論序説』で評論・研究部門をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

34
探偵小説論の中でも、叙述トリックに的をしぼった評論。前置きなしでタイトルを挙げていくので、未読の作品が多い人は用心して読む必要がある。さて、某作家の某作品(ここまで隠さないと……笑)は叙述トリックの古典として超有名であるが、もちろん焦点はこの作品に当てられている。アンフェアかどうかを議論の出発点におきながら、この1世紀のミステリにとって、叙述トリックの案出は、おそらく不可避だったんだろうと納得させられていく。そして今後のミステリはどこへ行くのかが気になるが、それが読みとれないもどかしさも伝わってくる。2015/06/23

5
叙述トリックだけで1冊やってしまうとは。語りの問題を含め、刺激的で示唆に富む記述も多いが、「なんでこんなに拘泥してるの」という箇所もあったり。それを含めて楽しむ本。しかし著者にはそろそろ実作の単行本化をちゃんと進めて欲しい。ここ何年も小説作品が出てないですよ……。2011/08/01

風見鶏

4
卒論の参考資料。対談での笠井氏の逃げ口上は評論家として好きだっただけにかなりがっかりした。第三の波をステージごとに分類するまではいいとしても、「トラウマ本格」とか「カルト本格」とかに進んだりジャンルXとかまで出てきたところでもう世代論の限界なんだと思った。「第三の波」は新本格というムーヴメントを定着させるためのツールだったはずだから、もうとっくに役目は終わっていたんだよ。2014/12/23

千葉さとし

3
言い落としをキイとして叙述トリックについての思考を展開する本書、ちょっと読むのに難儀しながらも読了。思うに、連載形式と長文の評論って、ちょっと相性が悪いような。それはさておき、本書の議論は20世紀探偵小説論、というよりは20世紀小説のあり方までを射程に入れたもの、そして笠井潔の評論ならではの抜け道の塞がれっぷりが素敵です(笑)。私見ですが、こんなことを考えて読みなさい、というのが批評なのではなく、作品から可能性を最大限に汲み取り、そこから独自の読み取りを示すのが批評ではないかと。本書でまた再認識した次第。2012/02/10

なかたし

2
まだ、かろうじて何を言ってるのか分かる。そういう考え方あるのかー、と口開けてボケーとしながら読んだ。2013/10/13

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