内容説明
小説、評論、共に精力的に活動を続ける著者が、鋭い感性で時代を代表する作品群を読み解く。『容疑者Xの献身』など話題のミステリのみならず、『1Q84』『グロテスク』など幅広く文芸作品を扱い、さらにドラマ、アニメ、コミックにいたるまで、ジャンルをまたいで論じることで遷りゆく時代を浮彫りにした、力作時評集。
目次
序 決断と不能―村上春樹『1Q84』
作品と魔性―柄澤齊『ロンド』
義体と洗脳―相田裕『GUNSLINGER GIRL』
階級と絶対―桐野夏生『グロテスク』
転向と空虚―矢作俊彦『ららら科學の子』
推理と社会―米澤穂信『さよなら妖精』
制作と創造―神林長平『膚の下』
障壁と情熱―ユン・ソクホ『冬のソナタ』
好色と空白―藤田宜永『恋しい女』
鏡像と分身―法月綸太郎『生首に聞いてみろ』
名前と認証―北山猛邦『「ギロチン城」殺人事件』
夢想と成熟―新海誠『雲のむこう、約束の場所』
頽廃と暴力―村上龍『半島を出よ』
結束と驚異―麻耶雄嵩『神様ゲーム』
悪霊と知能―瀬名秀明『デカルトの密室』
勝者と敗者―東野圭吾『容疑者Xの献身』
成長と失効―志水辰夫『うしろ姿』
本格と論理―道尾秀介『骸の爪』
犯罪と処罰―辻村深月『ぼくのメジャースプーン』
怪異と推理―三津田信三『凶鳥の如き忌むもの』
解釈と強度―恩田陸『中庭の出来事』
自然と環境―東浩紀『ゲーム的リアリズムの誕生』
文学と前衛―筒井康隆『巨船ベラス・レトラス』
片説と小説―佐藤友哉『1000の小説とバックベアード』
収穫と終焉―西澤保彦『収穫祭』
著者等紹介
笠井潔[カサイキヨシ]
1948年東京生まれ。79年にデビュー作『バイバイ、エンジェル』で第6回角川小説賞を受賞。以降『サマー・アポカリプス』『薔薇の女』他、矢吹駆を主人公としたシリーズなど数多くの小説を発表する傍ら、精力的な評論活動を展開。98年『本格ミステリの現在』編纂で第51回日本推理作家協会賞受賞。2003年の第3回本格ミステリ大賞では『オイディプス症候群』で小説部門を、『探偵小説論序説』で評論・研究部門をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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