創元海外SF叢書<br> 過ぎにし夏、マーズ・ヒルで―エリザベス・ハンド傑作選

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創元海外SF叢書
過ぎにし夏、マーズ・ヒルで―エリザベス・ハンド傑作選

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  • サイズ 46判/ページ数 336p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488014650
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

余命わずかな元スミソニアン博物館学芸員のため、幻の飛行機械の動画を再現しようとする友人たちが遭遇した奇跡、演劇一族に生まれた6人姉妹の末妹と6人兄弟の末弟が屋敷の屋根裏で出会う不思議……ネビュラ賞や世界幻想文学大賞を受賞した作品ばかり4編を収めた、不世出の天才作家による珠玉の抒情SF選集。

内容説明

母さんは今年、マーズ・ヒルから戻らないつもりだと、出かける前からムーニーにはわかっていた―毎年夏に訪れる海辺のコミュニティでの謎めいた存在との遭遇、名女優の血を引く6人姉妹の末妹と6人兄弟の末弟が屋敷の屋根裏で出会う不思議、スミソニアン博物館同僚の余命わずかな元学芸員のため、幻の飛行機械の動画を特撮で再現しようとする友人たちが邂逅した奇跡…ネビュラ賞・世界幻想文学大賞受賞の作品4編を収めた、不世出の天才作家による珠玉の抒情SF選集。

著者等紹介

ハンド,エリザベス[ハンド,エリザベス] [Hand,Elizabeth]
1957年米国カリフォルニア州生まれ。カトリック大学で劇作を学んだ後、スミソニアン国立航空宇宙博物館に勤務しながら、同大学で文化人類学を学んだ。1988年に小説家デビュー。91年、第一長編『冬長のまつり』でフィリップ・K・ディック賞にノミネートされた。96年、「過ぎにし夏、マーズ・ヒルで」でネビュラ賞ノヴェラ部門と世界幻想文学大賞中編部門を受賞。そのほかにも2004年、Bibliomancyで世界幻想文学大賞短編集部門を、07年、「エコー」でネビュラ賞短編部門を、08年、「イリリア」で世界幻想文学大賞中編部門を受賞

市田泉[イチダイズミ]
1966年生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒。英米文学翻訳家。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白玉あずき

52
ひたすらに美しく、やるせないような、切ないような感情を喚起する。やはり「抒情的」という言葉しか思い浮かばない。SFや幻想小説らしい超常のものは最小限で、読者も違和感なくすんなりと受け入れてしまう。中編「イリリア」がお気に入り。ファミリーに受け継がれる才能(ギフト)に囚われた少年少女と家族たち。屋根裏に隠された魔法のミニチュア舞台。思うに任せぬ人生と、受け継がれることなく失われたであろうエメラルドの指輪。ああ人間ってやつは、やっぱり切なく寂しく美しいわ。土地の持つ魔力や海の神秘も素敵。2021/05/29

愛玉子

39
夏の終わりのように、どこか寂しく切なくて。限りなく「死」に近い別れは、死そのものとどう違うのだろう、と思う表題作。glamourとgiftの残酷で決定的な違い、そしてラストがとても幻想的な「イリリア」。終末感漂う孤独で美しい世界「エコー」。「マコーリーのベレロフォンの初飛行」の細やかながら素晴らしい奇跡。紹介文には「不世出の天才作家による珠玉の抒情SF選集」とあるけれど、science fictionというよりは日常のなかにすこし・ふしぎが存在する感じ。喪失感と、相反するような静かな温かさに満ちた作品集。2021/06/19

ぽてち

37
4篇を収録した作品集。「過ぎにし夏、マーズ・ヒルで」はネビュラ賞と世界幻想文学大賞を、「イリリア」は世界幻想文学大賞を、「エコー」はネビュラ賞を、「マコーリーのベレロフォンの初飛行」は世界幻想文学大賞を受賞と、すべての作品が賞を獲得しているまさに傑作選だ。ただし、どの作品も“普通”で、とくにSFやFTを感じさせるものではない。バリバリのジャンル作品を期待すると肩透かしを食らうが、どの作品もしみじみとした味わいがあって良かった。2021/05/16

みつ

35
こういう題名の本はどうしても季節を選んでしまう。ということで今日(8月28日)読了。「珠玉の抒情SF選集」と裏表紙にはあるが、収録された4編いずれもSF要素は希薄。中では双子兄弟の父をそれぞれ持つ、同じ日に生まれたいとこの淡い恋とその後を、シェイクスピアの『十二夜』の上演と舞台のミニチュアを中心に据えて描く「イリリア」が素晴らしい。ライト兄弟に先立つ飛行機を映した幻の動画を特撮で再現する話も自分好み。表題作と、同じくマーズ・ヒルが舞台の「エコー」は、ブラッドベリを漫画化した萩尾望都に取り上げてほしい世界。2024/08/28

信兵衛

34
ネビュラ賞、世界幻想文学大賞等をそれぞれ受賞の4作をまとめた“傑作選”。 なんとまぁ贅沢な一冊か、と惹かれた次第です。2021/05/02

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