出版社内容情報
バートンをたびたび襲撃しては奇妙な台詞を残すバネ足ジャックと、11年前の暗殺事件の関わりとは? バートンたちはヴィクトリア朝英国の根底を揺るがす謎に立ちむかう!
内容説明
急激な科学技術革命がもたらす社会変動に揺れ動くロンドンで、バートンをたびたび襲っては予言めいた言葉を残してゆくバネ足ジャック。歴史を大きく変えた21年前の重大暗殺事件と、彼の関わりとは?一方、人狼たちに誘拐されたスウィンバーンは絶体絶命の窮地に。そしてジャックや人狼たちの背後では、マッドサイエンティストたちによる恐るべき計画が進んでいた。ヴィクトリア朝英国の存在を根底から覆す彼らの陰謀に、バートンたちは大英帝国が誇る数々の新発明を駆使して立ち向かう!
著者等紹介
ホダー,マーク[ホダー,マーク] [Hodder,Mark]
イギリス生まれ、スペイン・バレンシア在住。BBCの放送作家、編集者、ジャーナリスト、Web制作者などの職を経て、2010年に『バネ足ジャックと時空の罠』で作家デビュー。同作で翌年のフィリップ・K・ディック賞を受賞するという快挙をなしとげた。なお、探偵セクストン・ブレイクものの大ファンでもあり、自らも同シリーズの新作を執筆している
金子司[カネコツカサ]
1969年生まれ。1992年明治大学商学部商学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
39
攫われたスウィンバーンが相手の正体を知る。普通こういうシーンでは「助けられるまで彼はもつのか?」と読者はハラハラしながら見守るものだがMッ気のあるスウィンバーンはどんなに乱暴されても快感にうち震え助けてもらわない方が幸せなんじゃないか?。下巻は「なぜバネ足ジャックが生まれたか」の理由が明かされるため、主役だったはずのバートンの影が薄い。もちろんラストには視点がバートンに帰ってくるが途中の主役は間違いなくバネ足ジャック。「王の密偵」「サ―・リチャード・バートン」「バートン」と3つの訳があるのが気になる。2016/09/04
藤月はな(灯れ松明の火)
34
詩人スウィンバーンがサディスト、オリファントからの逃走劇を繰り広げる様に手に汗握ります。それにしてもダーウィン、ナイチンゲールの頭はいいけど、話が通じない程の人としての何かが欠けたイカれ方に戦慄を覚えざるを得ない・・・(((゜Д゜;)))でもバネ足ジャックの論理に「お前は保彦(法条遥氏のリライトシリーズ)並の馬鹿か!!」と憤激することしきり。彼に同情する心はこれっぽっちもない。寧ろ、自業自得で彼の行動の犠牲になってきた人たちのことを考えると腸煮えくり返る。でも最後の影が薄かったバートンの結末が切なすぎる。2015/08/02
宇宙猫
29
★★★★★ 読み終わった印象は「リヴァイアサン」+「ホームズ」かな。バネ足くんの性格に問題がありすぎるところが納得できないんだけど、その他は広げた風呂敷をみごとに畳んだね。2016/10/20
りー
28
上巻の冗長さも下巻ではすっかり鳴りを潜め、疾走感すら伴いながら物語は佳境を迎えて収束してゆく。しかし何て言うのかな、面白かった、確かに面白かったんだけどベタ過ぎというか重量感に欠けるというか、結末は予想通りだし重鎮っぽく登場したあの偉人はほとんど活躍しないままにいなくなるしで、これだけの頁数を割くならもっと練り込んでほしい物が多かった作品かも知らん。何よりスチームパンク要素が足りん!これで満足してしまうのが日本人なのだとしたらそりゃあ原宿のA STORYも閉店してしまうわ。僕にもっとスチームパンクを!2015/04/07
miroku
22
歴史上の人物たちの豪華な共演。バネ足ジャックの行動原理の意外性。そして奇抜なギミック。華やかに盛り過ぎた感が否めないのが残念。2015/10/30