出版社内容情報
科学技術が進化したもうひとつのヴィクトリア朝英国を揺るがす陰謀。伊藤計劃『ハーモニー』を抑えてフィリップ・K・ディック賞を受賞した快作スチームパンク登場!
内容説明
蒸気機関や遺伝学など科学技術の発展により大変貌した、もうひとつの19世紀ロンドン。蒸気馬車が疾走し改造生物がゆきかうこの街で、天才探検家バートンは王室直属の密偵として親友の詩人スウィンバーンとともに、帝都を騒がす人狼たちを追う。その彼をなぜか敵視する、虚空に現れては忽然と姿を消す怪人「バネ足ジャック」は、ロンドン変貌の原因とバートンの将来について何事か知っているらしく…伊藤計劃『ハーモニー』を抑えて2010年度P・K・ディック賞を受賞した快作スチームパンク!
著者等紹介
ホダー,マーク[ホダー,マーク] [Hodder,Mark]
イギリス生まれ、スペイン・バレンシア在住。BBCの放送作家、編集者、ジャーナリスト、Web制作者などの職を経て、2010年に『バネ足ジャックと時空の罠』で作家デビュー。同作で翌年のフィリップ・K・ディック賞を受賞
金子司[カネコツカサ]
1969年生まれ。1992年明治大学商学部商学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
36
蒸気機関や遺伝学が発達したパラレルワールドではヴィクトリア女王は暗殺されたことになっており、夫のアルバートが即位している。実在した人物が多数登場し、その中にはこの当時はチョイ役だったが大人になって大化けするキャラクターもいる。ばね足ジャックはどう見てもリチャード・バートンの「寝た子を起こした」感が否めない。見るからに怪しく登場したあげく「俺をほうっておけ」なんて、あのような謎めいた言葉を投げかけられれば、もともとアドベンチャー大好きだったのだから、自分で探ろうとするはずだ。2016/09/03
藤月はな(灯れ松明の火)
30
蒸気機関と優生学がガジェットとなるスチームパンクSF。舞台はヴィクトリア女王が暗殺され、夫のアルバート公が王となった英国。仇敵だが嘗ては親友だった、意志が弱いスピークの銃殺を悲しむ野蛮人じみた風体だが繊細な心を持つ冒険家兼王の使い、バートン。そんな彼に「俺の邪魔をするな!」とバネ足ジャックが殴りかかってき、消えた。一体、女王暗殺、狂人まで産み出した婦女暴行未遂事件に関わるバネ足ジャックとは何者か?帝都を騒がす人狼の正体は一体?個人的には賢く、逞しいクイップスことオスカー(実はあの人)が大変、可愛いです^^2015/08/01
miroku
27
英国を舞台としたスチームパンク花盛り。これはかなりSFっぽい作品。後半が楽しみ♪2015/10/14
宇宙猫
26
★★★★ スチームパンクの怪しげな世界に登場するバネ足ジャック。何者なのかと読み進めたいところだけどタイトルでかなりネタバレしてるのではないか。とはいえ、何がどう繋がっているのかさっぱりなので、後半が楽しみ。2016/10/17
しましまこ
16
工学者《エンジニア》と優生学者《ユージニシスト》の躍進で新しい機械や新種の動物でごちゃ混ぜのロンドン。王室直属の密偵に任命されたバートンの最初の任務は人狼調査。襲い来るバネ足ジャック、アルビノの豹人間、人狼。と確かに面白いんだが、何しろロンドンの描写がスゴくて!石炭で動く自動二輪車、回転翼式飛行椅子、人を載せた凧を牽く巨大な白鳥、伝令犬……その都度??となるから進まない。1日に4度長い毛でチリやホコリを拾いあげる箒猫《ブルームキャット》に引っ掛かる。黒、白、青灰色、全部欲しい!下巻はテンポ良くなるのか?2015/02/05
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