内容説明
ジャン・コクトーの晩年のパトロンヌとして、十数年間、彼と共にあった美貌の富豪夫人フランシーヌ・ヴェズヴェレール。その一人娘キャロルが少女の曇りのない目で間近で見続けたママとコクトーの特別な世界。本書は、生きて呼吸をし、多くの人を愛し、多くの人に誤解された、傷つきやすい生身の人間であったコクトーの姿を伝える、ファン必読の回想記であるばかりでなく、今では失われた、プルースト的世界、サロン文化の最後の香りを届けてくれる貴重な記録である。
目次
私の家族
フランシーヌのフォリー
詩人との出会い
サント・ソスピール荘
ドゥードゥーとエミリエンヌ
ムッシュー・コクトー
友人たち
アトリエ
パリにて
合衆国広場四番地〔ほか〕