罪悪

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  • サイズ B6判/ページ数 212p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488013448
  • NDC分類 943
  • Cコード C0097

出版社内容情報

この世には、裁くことのできない「罪」がある。高名な刑事事件弁護士が現実の事件に材を得て、様々な罪人たちの真実の姿を描き出す。『犯罪』の著者による至高の連作短篇集。

内容説明

ふるさと祭りの最中に突発する、ブラスバンドの男たちによる集団暴行事件。秘密結社イルミナティにかぶれる男子寄宿学校生らの、“生け贄”の生徒へのいじめが引き起こす悲劇。猟奇殺人をもくろむ男を襲う突然の不運。何不自由ない暮らしを送る主婦が続ける窃盗事件。麻薬密売容疑で逮捕された孤独な老人が隠す真犯人。―弁護士の「私」は、さまざまな罪のかたちを静かに語り出す。刑事事件専門の弁護士が、現実の事件に材を得て描きあげた十五の異様な物語。世界各国を驚嘆せしめた傑作『犯罪』の著者による、至高の連作短篇集。ドイツでの発行部数30万部突破。ドイツCDブック賞ベスト朗読賞受賞。

著者等紹介

シーラッハ,フェルディナント・フォン[シーラッハ,フェルディナントフォン][Schirach,Ferdinand von]
作家、弁護士。1964年ドイツ、ミュンヘン生まれ。ナチ党全国青少年最高指導者バルドゥール・フォン・シーラッハの孫。1994年からベルリンで刑事事件弁護士として活躍する。処女作である『犯罪』がドイツで大ベストセラーとなり、クライスト賞など多数の文学賞を受賞した。2010年に『罪悪』を刊行し、ドイツCDブック賞ベスト朗読賞受賞

酒寄進一[サカヨリシンイチ]
1958年生まれ。ドイツ文学翻訳家。上智大学、ケルン大学、ミュンスター大学に学び、新潟大学講師を経て和光大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

146
『犯罪』以来、3年ぶりとなるシーラッハ作品ですが、前作同様、ガツンとくるモノもあれば、ジワジワとメンタルに忍び寄ってくるモノもあり、とても200ページレベルのボリュームとは思えない濃厚な読書時間を与えてくれます。海外モノが苦手な方も本作は訳者さんが見事な働きをしてくれているのか、とても海外作品を読んでいるとは思えないくらい違和感なく読みこんでいけます。相変わらず緩急おりまぜ多彩な作品群で、下手なホラーやミステリはぶっ飛んでしまうくらいのインパクトです。マンネリ気味の読書ライフには十分なスパイスとなります。2016/02/12

優希

104
様々な罪の形が静謐に語られているのに鳥肌が立ちました。実録風で淡白だからこそ凶悪に響くものがあります。一見薄めだけれど、どの話も長編になりそうな濃さを感じました。ぼやけていて後味が悪いのに、読まずにいられない中毒性がこの本の1番の怖さかもしれません。2015/12/16

財布にジャック

99
前作の「犯罪」に比べると、なんとなく薄味な気もしますが、他のミステリーにはない、独特な雰囲気が相変わらず魅力的です。あまり脚色をせずに淡々と語っていく文章に好感が持てるのかもしれません。罪悪という題名どおり、どれを読んでも罪悪感がポイントにはなっていました。それにしても、最後の一話にはやられました。これって本当にノンフィクション?2012/04/05

さと

83
淡々とした語りは「犯罪」と同じ。私が見ている(認識している)現実は一つの方向から見ているだけで、立ち位置を変えると全く違った世界・・・罪や悪 憎しみや苦しみ悲しみが存在しているのかもしれない。私が見ている現実はどうなのだろうか そんな思いを抱かせてくれる。「清算」と「秘密」がドキリ。凪いでいた水面が一瞬並みだった感じ。2015/01/12

けい

80
「コリーニ事件」を読後こちらへ。15編からなる人の罪悪に関する短編集。短い文章である事から、余計に物語の切れ味を増してきます。途中からは来る来るぞと身構える様な読み方に。でもグッサリ刺さって、次章への読み出しを遅らせてくれます。特に最後の「秘密」は、ラストを二度読みさせられてしまいました。続いて「犯罪」を読みますが、ちょっと深呼吸。2014/09/13

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