内容説明
月曜日は赤。悲しみには虚ろな青い匂い…目を覚ますと、とんでもないことになっていた。頭の中には思いもよらない言葉が、まぶたの裏には異常な映像が浮かぶ。そして、視界の隅には妙ちくりんな化け物が座っていた。そいつの名はドゥリーグ。ぼくに言葉の力で世界を変えようと、しきりとそそのかす。そんなことはどうでもよかった、ひとりの少女に出会うまでは。彼女の肌は日に照らされたシナモン、焼きたてのケーキ、髪は蜂蜜のように長い。クリームのように流れ、吐く息は綿菓子の泡となって宙に漂う…めくるめく色彩と豊かなイメージに彩られた、少年の不思議な初恋と成長の物語。
著者等紹介
モーガン,ニコラ[モーガン,ニコラ][Morgan,Nicola]
1961年生まれ。イギリスの女性作家。英語の教師をするかたわら幼児向けの学習書を多数執筆。その一方で小説家を目指してきたが、2002年に『月曜は赤』で念願のデビュー。その後も毎年コンスタントに作品を発表している
原田勝[ハラダマサル]
1957年生まれ。東京外国語大学卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
23
トラブルから左足は麻痺状態になったが、共感覚を得てしまったルーク。大人になっていく姉との関係性の変化と周囲の姉への評価のギャップによって嫌悪感や潔癖感が異様な程、募り、憎悪に変わってしまうのは分かる。だけど、ルークは姉も「一人の人間」だと認められれば良かったんじゃないかな。そして後書きの「悪魔の名の音をアルファベット綴りで直すと…」で思わず、手をぽむっと叩かざるをえませんでした。2016/05/06
みなみ
2
共感覚の話なんだけど、思春期のダークな気持ちの暴走+近親者の性が絡んでくる、という点でロバート・ウェストールの「かかし」を思い出した。頭の中の悪魔の名前のアナグラムはハガレンを思い出すと分かる^^五感に色が付くのか~おもしろそう、と思って図書館で借りてきたから、こんなバイオレンスな内容だとは思わなかったよ!2018/03/13
ヘル・Wの空中庭園
1
共感覚的な世界が、言葉の使い方の勉強になるかな、と思って読んでみたんだけど、何て言うか共感覚のイメージを作為的に用いすぎている感じがあってあざといというか不自然というか、全然良くなかった。あと、バイオレンスものが苦手な私にとっては、物語が暴力的すぎて、そのあたりの描写はかなり読み飛ばしたにもかかわらず、読後はどっしりと嫌な感じが残った。2010/06/15
すけきよ
1
かなり期待はずれ。これほど読むのがしんどかったのは久々。平易な文章なのに、えらく読むの時間がかかってしまった。共感覚ものということなんで楽しみだったんだけど、共感覚自体は添え物という感じで、想像力や文字の持つ力、がメイン。共感覚だと、ジェフリイ・フォードの「アイスクリームの帝国」には遥かに及びませんでした。2006/11/25
tuna
0
黒に赤文字の背表紙に惹かれて手に取った本。ハチはないなぁとは思うし、ハチミツのような髪が褒め言葉だとは思わないけど、ヤングアダルト向けなら基本良い話だと思いました。2008/07/09