内容説明
なまぐさいにおいがする…少年が見たもの、そして助けたものは?ロングセラー『肩胛骨は翼のなごり』(カーネギー賞、ウィットブレッド賞受賞)のデイヴィッド・アーモンドが贈る荒野にひそむマジック・ワールド。
著者等紹介
アーモンド,デイヴィッド[アーモンド,デイヴィッド][Almond,David]
イングランド北部に生まれる。1982年、31歳のときに仕事を辞めると、家を売却して得た金を手にコミューンへ移り、短編を書き出した。それらは文芸誌に掲載され、2冊の短編集にまとめられた。1998年、初めて書いた児童小説『肩胛骨は翼のなごり』が4日間で増刷がかかる大反響を呼び、カーネギー賞とウィットブレッド賞に輝く
山田順子[ヤマダジュンコ]
1948年福岡県生まれ。立教大学社会学部社会学科卒業
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
43
装丁に惹かれた。児童文学の旗手。アーモンドならではの世界!を垣間ふれた気分。暑い、眠れない夜にはもってこいの幻想の世界を飛翔できる(もっとも私はすぐ寝れるけど)内容はよくある展開~何という取柄もない少年ジョー、母親との平凡な生活の中で彼の心に住む虎。そんなところへやってきたサーカスとそこで働く少女コリンナ。虎と少年の共鳴する波動そのありようを受け入れる母親と少女。現実には見えない世界で何が羽ばたき、どう動くかを推し量られないと愉しめないかも。かなり年取りすぎている私でもいいひと時は持てた。2017/07/12
たまきら
28
この人って、居場所のない人々を描かせたらピカイチだと思う。そして、幻想的なのに奇妙なまでに現実的な構成とか。耳元で虎の呼吸が聞こえる気がした。2019/07/26
ぱせり
8
猛々しく美しい。大胆で繊細。ジョーの中には虎とヒバリがいる。虎とヒバリが共存する、というのは、大きな意味があると思う。ナンティはいう。「すべての終焉の日に、全ての始まりの日をみつけだせるのかもしれない」少年が大人になるということをこの言葉に重ね合わせてみたい。子どもの日を終わらせることが、新しい自分自身の始まりなのだ、と。2012/08/11
mimm
7
あ~こういう話嫌いです~。訳も分かりにくいし、生理的にもちょっと無理。自分たちの商売のためにユニコーンに改造したヤギを観客に見破られて、逃がすでもなく溺れ殺して「この方がいい」とか自己満足するシーンとか、エゴ満載で大嫌い。ラリった子供と怪しい宗教、私にはそうとしか思えませんでした。でもこれ、児童文学なんだよね。久し振りに初っ端から放り投げたくなった一冊。もう読まない。2012/08/28
ヴェルナーの日記
7
想像上の巨大なトラの夢を見る主人公のジョー。初めて逢ったにもかかわらず、どこか懐かしさを感じるサーカスの少女コリンナ。二人の出会いが、ジョーを中にある秘密の心臓を動かした。ジョーの想像は、大きく翼を広げて飛び立とうとする心情と、人とは違うことに戸惑いを覚え、不安に感じる少年のゆれ動く葛藤があざやかに表現されている。2010/09/19