内容説明
眠りに就く前に絵画を見ると、その中の世界に入り込める男・楯経介が、夢の中で遭遇した連続殺人の顛末は。これは夢か、現実か―幾重もの“夢”と“探偵小説”とがせめぎ合い、読者を幻惑する異端の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobby
84
読み友さんレビューから、とにかく気になってた飛鳥部さん念願の初読み。絵にのめり込むと、その世界の中に入り込んだ夢を見ることができる男。その特技ゆえ、ある洋館での不可解な殺人やらに導かれる。一方、現実で失踪したという友人の婚約者が暮らす家は、初めて訪れたはずも、その既視感漂う建物そして人物。途中からどれが現実でどこからが夢なのか全く分からないメタ展開。それでいて、きちんと本格ミステリ。スフィンクスの意味も最後まで読んでなるほど。2016/06/05
HANA
55
本書を読んでいると「胡蝶の夢」や乱歩の「うつし世はゆめ」の言葉を思い出す。失踪した友人の事を話すため、とある洋館を訪れた男、そこで姉妹に出会い…という導入から、夢の中で起きる殺人事件へと話は変化する。夢の中の出来事と現実が入り乱れ、実際の夢のように場面は移り変わり、読んでいるこちらまで夢が真か現が真かわからなくなってくる。幻想ミステリは謎解きがおろそかになっている物も多いが、本書は根本の謎が論理的に解明されるのは嬉しい所。夢の中の出来事は、探偵小説を題材にした舞台劇の趣があり、そちらも魅力的であったし。2024/06/24
pulpo8
25
夢の中で殺人が起こり、楯経介は思わず探偵と名乗ってしまう…という導入、夢や絵に関する蘊蓄は楽しい。筆力あるなーと思う。だけど、全然ロジカルじゃないこの解決方法はかなり嫌いなタイプ。これで読者への挑戦状のようなものを入れるのはおこがましいと思う。目次の「推理小説風の発端」「探偵小説風の展開」「読者への挑戦?」を見た時に感じたワクワク感は上回ってこなかった。亜久はなかなかカッコよかったので、ラストはちょっと残念。ソフトボールのくだりは飛鳥部さんのリアルな夢?あとがきのボンカレーおばさんの恐怖には笑った。2016/10/13
紅
8
どこまでが夢で、どこからが現実なのか。とても不思議な小説だった。正直、よくわからなかった……。2015/06/04
hirayama46
5
夢の世界で起こった殺人事件の謎をめぐる幻想ミステリ。夢か現実か、というよりはこの夢なのかあの夢なのかどの夢なのか、みたいな感じですね。ミステリでもあり幻想小説でもありますが、何よりも甘美な恋情を愛する恋愛小説だったのではないでしょうか。2020/12/21