感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miroku
10
古書の世界の魑魅魍魎たち。なんにつけ、収集家というものは、怪人・・・かも知れない。2010/12/06
紅羽
9
図書館本。古書への愛が深すぎて、道を踏み外してしまう怪人たちのお話三編。古書の世界ってカオス…というか奥深いですね。そして私もいつか読書家の聖地、神保町に行ってみたいです。そういえばこの独特な雰囲気の表紙、人形なんですね。実写かと思ってました。2015/03/25
akiu
5
古書マニアの奇態を描いたミステリー。書物愛がすぎて、人間としての何かが歪んでしまったような怪しい人物が出てきて、とてもイヤな気分になる面白さでした。犯罪規模としては大きくないけど、思い入れの強い部分を逆なでするような犯罪(イタズラ)ということで、非常に気持ち悪いですな! とはいえ、「古書収集に必要なのは殺意」とか言っちゃう人びとなので、当人としては本気なのかもしれない。文字通り、命かかってます。ちなみに、ミステリーとしての面白さはかなり弱いのでそこはキビシイです。2014/09/30
るすみら
5
古本もの、愛書家ものの推理小説…?推理ものとしては、かなり微妙だと感じた。本を巡る人間模様を読む本だと思う。「展覧会の客」「「憂鬱な愛人」事件」「電網恢々事件」の三編を収録。「電網…」では、大学図書館の話がちょっとだけ出てきて、その辺りは面白かった。ちょっぴり衒学的な楽しみもあるかな。本というモノと密接にかかわる人たちをクローズアップしている小説って実は余りないのでは?これはそういう小説のひとつ。紀田さんの本を初めて読む人は、あえてこの本から読まなくても良いと思う。2009/04/27
timeturner
4
小説ではあるが作者自身の長年の神保町体験から得たものが多く投入されているためかリアルな実録物を読んでいるよう。血なまぐさい犯罪はほとんど出てこないのに背筋が寒くなってくる。神保町は古書蒐集家の棲む魔界なのか。2017/02/02