内容説明
美貌のミステリ作家の山荘で、芸術家揃いの姉妹を次々と襲う戦慄の連続殺人。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aya Murakami
83
読メユーザーさんからのダイレクトメッセージでおすすめされた本。 3人姉妹と姉妹と同じ名前が付けられた猫が異様な不気味さを醸し出しています。ミステリーなので彼女たちと猫たちが猟奇的に殺されていくわけです。猫好きにはつらい描写でした。 事件の真相は才能を発揮できなくなった天才秀才の苦悩…という感じかな?2020/06/21
koma-inu
37
4部作中、最も本格色に優れた力作。密室、焼失死体、見立て、読者への挑戦と、ウハウハ内容。いかにも怪しいヒント満載で、いい意味で真実が掴みにくいのが楽しい。特に第3の殺人トリックは秀逸。見立て、ミスリード、動機が巧みに絡んでます。文章力、猫が可哀想、ご都合的など問題あるものの、本格ミステリはこれなんだよ!という作者の想いが伝わりました。狂気で救いのないエピローグもgood。30年前の作品ですが、加筆修正して出せば、今でもランキング上位に入るかも・・オススメの作品です。依井さん復活希望!2024/07/21
雪紫
37
フルート奏者の初音、ミステリ作家の弥冬、画家の結花の片倉三姉妹を襲う肖像画の見立て殺人。三姉妹の恋人達と弥冬のファン達が巻き込まれた惨劇の真相は? 数多くのガジェットと国内海外の有名古典のオマージュを盛り込みつつ、大量の伏線とロジックを趣向と構造にすべてを捧げた作者の苦労と情熱に想いを馳せずにはいられない、複雑にして精巧な職人芸といっていい作品。ミステリ好きは手に取って欲しい。2020/02/26
雪紫
25
依井さんを全作読んだ上での再読。ロジックもそうだけど再読で更に良くわかる積み重ねた伏線の恐ろしさ(もはや小説と言うより工芸品細工)。超絶技巧の「夜想曲」がデビュー作飛ばして文庫になるのはわかる。でもこれも文庫化するべきでしょ!とミステリ愛好家としては切に叫びたい! 理が前の事件引きずってるみたいなこと書いてたから?2020/04/12
ちくわ
24
肖像画/依井貴裕 読みました!!謎が次から次へと出てくる問題編に複雑でかつロジカルな解決編。クイーンを彷彿とさせる要素もあるし好きだ。好きです!! 相変わらず物語としての魅力は乏しい。理の推理も紙面上の伏線を拾ってく作業のようなものにも感じる。だけど、ここまで質の高い犯人当てを見せられるとそれはもう欠点ではなく依井貴裕という形式美ですらあると感じられる。言い過ぎ?でも面白かった。残りは夜想曲のみか...2017/09/26
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