内容説明
メモリアル・トゥリーとは何か?奇術と論理の新本格派期待の新鋭登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
264
依井貴裕さんはプロのマジシャンで推理作家の泡坂妻夫さんのお弟子さんだったのですね。本書は1990年に発表されたデビュー作で著者は惜しくも4冊しか書かずに今は本業の方で活躍されています。本書は完全な絶版本で古書でも入手困難な希少本ですので私は今回図書館で借りて読みましたよ。著者は今では殆ど読まれる事のない幻の作家さんですがE・クイーンタイプの本格ミステリーの素晴らしい実力派の名手ですので、ぜひ多くの方に読んで欲しいですね。本書は大学生のゼミの女子2名を含む全15名の中で連続殺人事件が起きる青春ミステリです。2023/01/07
雪紫
31
大学のゼミ仲間が次々とアリバイや密室要素を絡めて殺される話(密室講義付き)といういかにもミステリあるあるな事件。しかし、この話の恐ろしさはデビュー作とは思えないほどにガチガチにまとめた伏線とロジック。密室殺人のある物証と最後の殺人の読者への挑戦状寸前で明かされたあの手掛かりからなる怒涛の解決編とその根拠。実に参りましたとしか言えない。2020/03/05
ちくわ
21
それぞれの事件の相互関係に、犯人を特定するためのロジカルな推理と、散りばめられた伏線。たまらなくいい!!こういうの好きです!!凶器等、色々なところに強引なのかなと思うところもあったりけど、、、面白かったです!あと、鮎川哲也の解説が微笑ましくて好き。2017/02/03
koma-inu
7
トリックと論理性はまずまず。 人間描写が甘いのと、 会話以外の描写が分かりづらい。2019/08/11
とーろー
6
初依井貴裕。鮮やかなロジックと伏線が光る傑作。散りばめられた多くの手掛りから、論理的に無理なく犯人を指摘できるだろう水準なのも良。文章も想像していたほど読み辛くはない。各所で著者が絶賛される理由の一端が理解できた気がする。2018/01/12