ある晴れたXデイに―カシュニッツ短編傑作選

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ある晴れたXデイに―カシュニッツ短編傑作選

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  • サイズ 46判/ページ数 256p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488011369
  • NDC分類 943
  • Cコード C0097

出版社内容情報

日常に忍びこむ幻想。
歪で純粋な人間心理。
みな、あとから気づく。
あの奇妙な一撃がすべてを変えた、と。
『その昔、N市では』に続く
全15作の日本オリジナル短編集!

非行の果てに死んだはずの養子に怯え、戸締まりを厳重にする妻。夫との会話から見えてくる真実とは……(「雪解け」)。知らぬ間に手脚に痣や傷が増えていく会社員の女性。親指の付け根を切ってしまっても気づかず、すねを拳骨で打ってもまったく痛みを感じない。自己観察を続ける彼女の生活は、どんどん異様になっていき……(「火中の足」)。広告塔に大きな写真が貼られ、新聞でも連日報道された、行方不明の少年を探すことに取り憑かれた女性は、その少年を見つけたのだが……(「幸せでいっぱい」)。町が消え、家も、学校も、図書館も、なにもかもがなくなる。みんないなくなり、あとは地を這う人間の残骸がいるだけ。――世界が滅亡するXデイが気がかりで、ある母親はその日に起こるはずのことについて詳細な手記を執筆する……(「ある晴れたXデイに」)。

日常に忍びこむ幻想。悲劇と幸福が結びついた人生観。歪で奇妙な家族たち。
戦後ドイツを代表する女性作家による、『その昔、N市では』に続く全15作の傑作短編集!

■目次

「雪解け」
「ポップとミンゲル」
「太った子」
「火中の足」
「財産目録」
「幸せでいっぱい」
「作家」
「脱走兵」
「いつかあるとき」
「地(じ)滑(すべ)り」
「トロワ・サパンへの執着」
「チューリップ男」
「ある晴れたXデイに」
「結婚式の客」
「旅立ち」
 
 訳者あとがき

内容説明

非行の果てに死んだはずの養子に怯え、戸締まりを厳重にする妻。夫との会話から見えてくる真実とは…(「雪解け」)。知らぬ間に手脚に痣や傷が増えていく会社員の女性。親指の付け根を切ってしまっても気づかず、すねを拳骨で打ってもまったく痛みを感じない。自己観察を続ける彼女の生活は、どんどん異様になっていき…(「火中の足」)。広告塔に大きな写真が貼られ、新聞でも連日報道された、行方不明の少年を探すことに取り憑かれた女性は、その少年を見つけたのだが…(「幸せでいっぱい」)。町が消え、家も、学校も、図書館も、なにもかもがなくなる。みんながいなくなり、あとは地を這う人間の残骸がいるだけ。―世界が滅亡するXデイが気がかりで、ある母親はその日に起こるはずのことについて詳細な手記を執筆する…(「ある晴れたXデイに」)。日常に忍びこむ幻想。悲劇と幸福が結びついた人生観。歪で奇妙な家族たち。戦後ドイツを代表する女性作家による、『その昔、N市では』に続く全15作の傑作短編集!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケンイチミズバ

83
太っちょで、菓子や食べ物に卑しく、不愛想で可愛げがない。幼少期の自分のことのようだ。ドッペルゲンガーを見ると死ぬと言われているが主人公はこの後どうなるのだろう。私も死ぬ前に可愛げのない私と遭遇するだろうか。連合軍の米兵が欧州のどこかの村で恋に落ち、脱走する。が、女は頭のネジが外れているのか。7年間も地下室に匿われミザリーのような生活をするなんて耐えられないし、そこに愛はあるんか、そこに愛はないだろう。いや偏愛か。どの短編も何が起きているのか、なぜなのか想像力が試されます。主人公はみな幽霊かも知れませんし。2024/06/10

キムチ

73
20世紀ナチス政権下でドイツにとどまりつつ心的亡命の想いで執筆を継続した筆者、2作目。訳者酒寄氏曰く、これで彼女の作品群の3割に手を染めたと。彼女の作風は「超常現象、心理劇、シュールな筋立て」だ。彼女が生来持っている世界観、人生観が表出していると言えるのだろう。今回の15作品何れも日常を描きつつ、悲喜劇が綾なす一幕ばかり・・読了後、頭の何処かに突き刺さった歪の一文字がじんわり頭の中でうねりを高めていく感覚に。”悲劇的な生きざまというのは唯一人間らしいというもの、故に唯一幸福な人生なのです”~いつかあるとき2024/12/17

藤月はな(灯れ松明の火)

63
襲撃を警戒する夫婦と言う不穏さから始まる「雪解け」から掴みは完璧だ。望んでいた養子を愛せなかった事、そして非行に走った結果、救いを求めた養子を見捨てた事。罪悪感を抱くようになった彼らは最後に厳重な防護を外し、待つ。彼らが満足する罰を受ける為に。だが、罰は恐らく、来ない。「太った子」は子供時分の自分を恥じている人には刺さる物語。助けない気持ちが分かり過ぎる・・・。「火中の足」は痛覚を失くした女性の日記が徐々に人間味を失っていくのが怖い。だからこそ、自分が不死ではないと気づき、泣く姿に安堵すると同時に戦慄する2024/06/20

天の川

53
不穏さがじわじわと忍び寄る。皆が何事もなく過ごす中、終末の到来を予感する女が最後の一日を幸福な思い出で彩ろうとする表題作、スターリングラードで婚約者を喪った女が次第に身体の感覚を失っていく「火中の足」、非行少年だった死んだ養子が殺しに来るのではないかと怯える「雪解け」…現実を妄想が更に深刻化していく、その狂気。作者はナチ政権下で内的亡命をした作家の一人だという。岡本歌織さんの装画がその不穏を増幅する(本によって岡本さんの装画が全く違うことにも驚く)。「太った子」「脱走兵」「地滑り」も印象深かった。2024/07/31

あたびー

45
カシュニッツの日本オリジナル版短編集第2弾。前回は'60年代が中心だったそうですが今回はもっと幅広く編んであるそうです。全体を通して感じた印象は不安、そして知らぬ間に忍び寄る異常、戦争の傷跡にも触れられている。古いおもちゃ(しぼんだサッカーボールや風船、チェスの駒など)を自分の家族に仕立てて遊んでいた少年の話「ポップとミンゲル」が特に好きだった。ある日突然に終わりを告げる子供時代。2024/06/30

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