出版社内容情報
【カゼス文学賞、海辺の文学賞受賞】
美食、策謀、嫉妬・・・・・・そして愛と孤独
三ツ星シェフはなぜ栄光の頂点で死を選んだのか?!
フランス美食業界の光と影を見事に描き切った傑作小説!
三ツ星シェフ、ポール・ルノワールが猟銃自殺を遂げた。世界最優秀シェフに選出されたばかりだった彼がなぜ? 伝説的な料理人だった祖母の時代から三ツ星シェフに上りつめた現在までの彼の人生と、華やかなフランス料理界の裏面。料理人たちの野心、苦悩、嫉妬、闘い、そしてガイドブックの星の重圧……。P・ボキューズもA・デュカスも登場する元ミシュラン調査員にしか書けない傑作小説! カゼス文学賞・海辺の文学賞受賞作。
内容説明
三つ星シェフ、ポール・ルノワールが猟銃自殺を遂げた。世界最優秀シェフに選出されたばかりだった彼がなぜ?ネットフリックスの番組製作のために取材を受けていたさなかに…。伝説的な料理人だった祖母のいた時代から三つ星シェフに上りつめた現在までの彼の人生と、華やかなフランス料理界の裏側。料理人たちの野心、苦悩、嫉妬、愛、孤独、闘い、そしてガイドブックの星の重圧…。ポール・ボキューズもアラン・デュカスも登場する、元『ミシュランガイド』編集部員にしか書けない傑作美食小説!カゼス文学賞、海辺の文学賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たま
62
ガスコーニュの村のレストランで祖母から料理を習ったポールがレストラン業界で成功を収める過程と、アヌシーで三ツ星シャトーホテルを経営するに至った彼が突然自殺し、その後の混乱が交互に語られる。祖母の作る昔の料理が実に美味しそう、戦後経済成長期にポールが修行するマキシムやムーラン・ルージュ、有名シェフの名がそのままブランドとなった時代ーボキューズ、シャペル、デュカスら(バブル期の日本にも進出してたな)、ヌーヴェルキュイジーヌに分子料理と20世紀フランス料理史がとても面白かった。→ 2024/03/11
雅
52
華やかな三ツ星レストランも裏ではドロドロな世界が広がっている。追い込まれながら人に感動を与えている料理人の世界は恐ろしい2024/02/24
ぽてち
32
5年連続でフランスレストランガイドの三つ星を獲得しているシェフ、ポール・ルノワールが猟銃自殺を遂げた。世界最優秀シェフにも選出され、3ヶ月に及ぶネットフリックスの密着取材を受けている最中のことだった。シェフの一人称による奇数章と、三人称による偶数章の構成で、彼の死の真相に迫っていく。料理人にとっての星が、名誉でもあり苦しみでもある実態がよくわかった。一流レストランならではの料理の描写は読みどころの一つなんだろうけれど、フランス料理には縁がなくてよくわからなかった。2024/05/08
星落秋風五丈原
32
人気絶頂のシェフが自殺した。その理由は?周辺の人々の思惑を描く現在パートとシェフがどのようにして三ツ星シェフになったかを描く過去パートが交錯して登場。実在の人物も出て来る。2023/12/25
空猫
31
一流料理店での長時間勤務、厳しい縦社会(パワ・セクハラ)、薄給…といった職場環境であることは世界中でセオリーで「あった」。料理界だけでなく芸や技術を伝承していく業界では当たり前の事「だった」。さらに仏国では「星」と言う「輝かしい呪い」がつきまとう。そんな闇を、実際を絡めて(作者は元『ミシュランガイド』編集部員)語ったお話。ドキュメンタリー風で面白いが仏国・業界あるあると登場人物が多すぎて、不明点が多かった。仏国ではそこに上流社会からのしがらみやら何やら(なまり、出自)でドロドロだと言う事がよく分かる一冊。2024/03/25
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