嘘の木

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  • サイズ B6判/ページ数 414p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488010737
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

高名な博物学者で牧師のサンダース師による世紀の大発見。だがそれが捏造だという噂が流れ、一家は世間の目を逃れるようにヴェイン島へ移住する。だが噂は島にも追いかけてきた。そんななかサンダース師が謎の死を遂げる。自殺ならば大罪だ。密かに博物学者を志す娘のフェイスは、父の死因に疑問を抱く。奇妙な父の手記。嘘を養分に育ち、真実を見せる実をつける不思議な木。フェイスは真相を暴くことができるのか? コスタ賞受賞。

内容説明

高名な博物学者サンダリー師による世紀の発見、翼ある人類の化石。それが捏造だという噂が流れ、一家は世間の目を逃れるようにヴェイン島へ移住する。だが噂は島まで追いかけてきた。そんななかサンダリー師が死亡する。娘のフェイスは父の死因に疑問を抱くが…。謎めいた父の手記。嘘を養分に育ち、食べた者に真実を見せる実のなる不思議な木。フェイスはその木を利用して、父の死の真相を暴く決心をする。コスタ賞大賞・児童文学部門賞をダブル受賞した大作ファンタジー。

著者等紹介

ハーディング,フランシス[ハーディング,フランシス] [Hardinge,Frances]
英国ケント州生まれ。オックスフォード大学卒業後、2005年に発表したデビュー作Fly By Nightでブランフォード・ボウズ賞を受賞。2014年、Cuckoo Songは、英国幻想文学大賞を受賞し、カーネギー賞の最終候補になった。そして2015年、七作目にあたるThe Lie Treeでコスタ賞(旧ウィットブレッド賞)の児童文学部門、さらに同賞の全部門を通しての大賞に選ばれるという快挙を成し遂げ、米国のボストングローブ・ホーンブック賞も受賞、カーネギー賞の最終候補にもなった

児玉敦子[コダマアツコ]
東京都生まれ。国際基督教大学教養学部社会科学科卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紅はこべ

230
14才の少女の孤軍奮闘ぶりが本当にいじらしい。ギリシャローマ神話では、太陽神が男、月神が女で、女は男という光の反射に過ぎないという意識が西洋にかつてあったのかも。文学の世界ですら、シャーロット・ブロンテは執筆を夫に禁じられ、エミリーの『嵐が丘』は男兄弟のブランウェルの筆になるものと言われたりした。ましてフェイスが科学の世界で生きて行こうとするなら、もっと困難が待ち構えているだろう。でもラストには仄かな希望が。郵便局長と家政婦はそういう関係ってことね。東京創元社の児童文学はレベル高し。2018/11/29

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

173
もう後戻りはできない。一度始めてしまったからには、途中で幕は引けない。 19世紀後半、ダーウィンの進化論で揺れる英国を舞台に、学者の娘フェイスが父の死の真相を紐解こうと、文字通り「孤軍奮闘」する。周りの大人の悪意にもやもやとし、復讐できたときは胸がすく。でも、決して幸せな気持ちになれない。 この本を読んで一番強く思ったのは、子どもに嘘をつくことを強要することは絶対にしたくない、ということ。ファンタジー要素がどこか妄想のようでそこも怖かった。子どもは大人のことばをよく聞いて傷ついている。難しいなぁ。2019/10/02

星落秋風五丈原

171
私も一気読み。事件が解決してもヴィクトリア朝で科学好きの女性が認められるのはまだ先の事。フェイスの綴りが気になって調べてみたらFaith=信仰だった。父親が牧師だし妥当なネーミング。2017/11/10

nuit@積読消化中

149
『種の起源』発表後の英国ヴィクトリア朝時代が舞台。そんな時代に嘘を養分にして真実を得られるといった不思議な木が登場し、宗教と科学、嘘と真実について考えさせられる読み応えある物語。ファンタジーといわれてますが、魔法が出るとかではないため、個人的にもミステリーとして楽しめました。また、14歳の知的好奇心が旺盛な少女が主人公ですが、当時の女性は知識を持ってはいけないという生きにくい時代の中、成長をしていく彼女の今後も見てみたいと思いました。2018/01/22

🐾Yoko Omoto🐾

143
ダーウィンの進化論が発表されて間もない19世紀の英国。まだ全ての学問が発展途上であり、新しい発見を世に認知させることが容易では無かった時代。女子に学問は不要であり出過ぎた行為は愚かとされた、そんな背景が見事に生かされた物語だった。嘘を養分に成長する謎の植物の存在にファンタジーを取り入れ、父親の不審死、知的好奇心に溢れた少女の鬱屈、当時の女性たちの強かさと逞しさなど、ミステリから冒険譚、人間ドラマに至るまで幅広い要素で構成された秀作。嘘が悪だと一概には決して言えず、その嘘のお陰で守られている事もきっとある。2019/08/12

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