出版社内容情報
乱暴な兄、優しいがキレると危ない弟。凄腕の殺し屋シスターズ兄弟は、ゴールドラッシュに沸くカリフォルニアへ仕事に向かう。読書界に衝撃を与えた、ブッカー賞最終候補作。
内容説明
粗野で狡賢い、冷血漢の兄・チャーリー。ふだんは心優しいけれど、切れると大変なことになる弟・イーライ。悪名轟く凄腕の殺し屋シスターズ兄弟は、雇い主の“提督”に命じられ、ある山師を消しにサンフランシスコへと旅立つ―理由はよくわからぬまま。兄弟は何に出遭い、何を得て、そして何か失うのか？ゴールドラッシュに沸くアメリカ西海岸、名高き殺し屋シスターズ兄弟の、目も当てられないダメな旅路。総督文学賞など４冠制覇、ブッカー賞最終候補作。
著者等紹介
デウィット，パトリック［デウィット，パトリック］ ［ｄｅＷｉｔｔ，Ｐａｔｒｉｃｋ］
１９７５年バンクーバー生まれ。皿洗い、バーテンダーなどの職を経て、ＡＢＬＵＴＩＯＮＳで作家デビュー。２０１１年に発表の『シスター・ブラザーズ』は、ブッカー賞の最終候補作に選出されたほか、カナダで最も権威があるとされる総督文学賞をはじめ四冠を制覇した。現在はオレゴン州で妻と息子と暮らす
茂木健［モギタケシ］
１９５９年生まれ。翻訳家（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ～ 1件／全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
206
2013年このミス海外第4位。 謎解きを期待すると、 拍子抜けする。 兄チャーリーと弟イーライの殺し屋兄弟が 繰り広げる旅の物語。 ゴールドラッシュにわく 19世紀のアメリカを舞台に 弟の視点で描かれる日々は ダークだが滑稽で、古き よきアメリカの世界である のかもしれない。 だが著者は何を書こうと したのだろう。1851年の アメリカの雰囲気は伝わるが、 「激しい暴力を包むアナーキーな笑い」が 本書の高評価に繋がっているらしいのだが・・。2015/01/04
ハミング♪♪@LIVE ON LIVE
92
おもしろかった！殺し屋稼業を営むシスターズ兄弟チャーリーとイーライの物語。殺し屋なのに人間味溢れるキャラクターで、愛着が持てた。不思議とシリアスな感じではなく、妙にジンとくる感じの心理描写があって、読みやすかった。旅を続ける中で、色んな人に出会ったり、様々な出来事を体験したりして、二人が変わっていくのだが、それがなかなかおもしろかった！所々感情移入してしまい、なぜかセンチメンタルになったりもした。「どこがどういう風に良かった！」と説明するのは難しいけど、語りや兄弟の掛け合い、他人との関わり方がいい感じ。2014/08/17
けい
80
すごくいい感じのダラダラした語りが全編を覆う。語り手は殺し屋のシスターズ兄弟の弟イーライ。兄はいかにも西部劇時代の殺し屋風、それに対し弟は気のいい田舎のあんちゃん、人が良くて惚れっぽくて。内容的には凄惨なシーンが多いんだけれど語り部の口調に引きずられ、すんなり読まされてしまうところが非常に上手い。いつの間にか読み終わってしまう物語のさりげなさが妙に魅力的。2014年版このミス海外編第４位はダテじゃない。2014/01/05
Koichiro Minematsu
54
時は舞台はゴールドラッシュ、ゴーウエストのアメリカ。誰もが生きるために命をかけ生きた時代。雇われ殺しでしか生きていけないシスターズ兄弟。失うものがあり初めて得るものが何か気づく。混沌な世界は今も変わらない。2022/09/01
ゆりあす６２
54
図書館本。★★★☆☆ 悪の化身、兄ﾁｬｰﾘｰ･ｼｽﾀｰｽﾞと気が弱くて兄のいいなりの、弟ｲｰﾗｲ･ｼｽﾀｰｽﾞ｡兄弟なので｢ｼｽﾀｰｽﾞ･ﾌﾞﾗｻﾞｰｽﾞ｣ややこし。1880年代のアメリカ西海岸のｺﾞｰﾙﾄﾞﾗｯｼｭ。金の画期的な採取方法を生み出した男、ｳｫｰﾑ。ｳｫｰﾑ殺害を総督に命令されたｼｽﾀｰｽﾞ･ﾌﾞﾗｻﾞｰｽﾞ、ｳｫｰﾑをやっとの思いで探し出すが、先客が。同じく総督に殺しを命令された殺し屋ﾓﾘｽ｡しかも、ﾓﾘｽ､殺そうとしたｳｫｰﾑと意気投合、ふたりして金の採取に出かけてたりして。そんな二人2016/02/24
