コリーニ事件

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  • サイズ B6判/ページ数 203p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488010003
  • NDC分類 943
  • Cコード C0097

出版社内容情報

殺人事件と法廷で繰り広げられる緊迫の攻防戦を通して、事件をめぐる人々を見事に活写する。著名な刑事事件弁護士が研ぎ澄まされた筆で描く、ヨーロッパ読書界を席巻した傑作。

内容説明

2001年5月、ベルリン。67歳のイタリア人、コリーニが殺人容疑で逮捕された。被害者は大金持ちの実業家で、新米弁護士のライネンは気軽に国選弁護人を買ってでてしまう。だが、コリーニはどうしても殺害動機を話そうとしない。さらにライネンは被害者が少年時代の親友の祖父であることを知り…。公職と私情の狭間で苦悩するライネンと、被害者遺族の依頼で公訴参加代理人になり裁判に臨む辣腕弁護士マッティンガーが、法廷で繰り広げる緊迫の攻防戦。コリーニを凶行に駆りたてた秘めた想い。そして、ドイツで本当にあった驚くべき“法律の落とし穴”とは。刑事事件専門の著名な弁護士が研ぎ澄まされた筆で描く、圧巻の法廷劇。

著者等紹介

シーラッハ,フェルディナント・フォン[シーラッハ,フェルディナントフォン] [Schirach,Ferdinand von]
作家、弁護士。1964年ドイツ、ミュンヘン生まれ。ナチ党全国青少年最高指導者バルドゥール・フォン・シーラッハの孫。1994年からベルリンで刑事事件弁護士として活躍する。処女作である『犯罪』が本国でクライスト賞、日本で2012年本屋大賞「翻訳小説部門」第1位を受賞した

酒寄進一[サカヨリシンイチ]
1958年生まれ。ドイツ文学翻訳家。上智大学、ケルン大学、ミュンスター大学に学び、新潟大学講師を経て和光大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

200
きっとドイツという国柄(背景)があってからこそ、こういった作品が生まれるんだとうなぁと感じました。老人実業家が殺され、その弁護を引き受ける新米弁護士「ライネン」、被疑者「コリーニ」はいっさい動機を語らずに黙秘を続け・・・。事件の真相を追っていくうちに、驚愕の事実が明かされるコトに。第2次世界大戦下のドイツという国の歴史、ユダヤ人の話、ヒットラー云々など、そういった暗黒史がクライマックスに怒涛の勢いで語られるその熱気とスピード感が、とても200頁超のボリュームとは思えない重量感とともに読者を魅了します。2016/02/20

ブランドのアーメン

129
戦争はいつまでも終わらないことを痛感させられる名著。一見して関係のなかった加害者と被害者が過去と繋がりナチスの犯罪と結び付いていく。終わらない報復の連鎖と呆気ない結末は悲しかった。2015/12/13

ケンイチミズバ

126
殺害方法から怨恨であることが私でも容易に推察された。被告人コリーニの言葉、死者は復讐を望まない。望むのは生者だけだ。に弁護士ライネンはもとより読者の私にも深く刺さった。大学紛争の最中に秩序維持のため承認されてしまった法案の不備からナチスの犯罪行為が戦後15年で時効となった。たくさんのコリーニのような人々が忘れることのできない記憶に突き動かされたのだろうと思う。やるせないラストが悲しい。殺害の動機、真実が明らかになったことが作中のせめてもの救いであり、この作品が現実に国を動かしたことも感慨深い。2017/01/04

たー

116
いわゆるミステリーとして読むと肩透かしを食らう(すごいトリックが潜んでいる訳ではない)。自身の祖父がナチの指導者だったという人物がこういう本を書くこと自体が意味があることなんだろう。2014/06/28

キムチ

106
筆者はナチス高級幹部の孫、長い間刑事弁護士として活躍し、執筆するとクライスト賞を受賞。社会的地位が圧倒的に差のある関係での殺人事件。どう考えても減刑しか争う余地がない裁判の国選を引き受けたライネン。だが幼い日々の私情を絡めざるを得ない事態に展開して行く。ヨハナの「すべてを背負って行かないといけないの?」に答えて「君は君らしく生きればいいのだ」このセリフの持つ重さにクラっとした。薄氷上で踊り続ける者が自らを覚知することの重大さ。凍るような空気を感じる文体とヨハナの言動が印象的。最後の幕引きにドイツ的感覚が。2014/01/22

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