内容説明
世界システムの観点から米国の対外政策を解読する。
目次
1 分析の基本的観点―世界システム、ヘゲモニー、および国内の権力
2 覇権を求めて―アメリカのヘゲモニーの歴史的起源、1895―1945年
3 世界各地での冷戦、1945―1946年
4 新秩序の危機、1947―1950年
5 軍備増強と第3世界の統合、1950―1956年
6 絶頂期のヘゲモニー、1957―1967年
7 異議申し立て、緊張緩和、そして衰退、1968―1976年
8 カーター政権と冷戦、1977―1980年
9 レーガン政権期とヘゲモニーの将来
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わび
1
いわゆる修正主義学派の流れを汲んだ戦後アメリカ外交史。その大きな特徴は世界システム論を基軸としていることであり、マーシャルプランは西欧の世界システムへの繋留、NSC68の軍拡路線はドル不足への対処、第三世界政策は原料供給の拡大、と全てヘゲモニーの維持の観点から行動が説明される。軍事への偏重がアメリカの競争力の低下を招いたとする解釈には異論もあるが、全体として文明史的な面白さがある。一点、本書で余り触れられてはいないが、1960年代以後のソ連の世界システムにおける位置付けは考える余地があるように思われる。2019/11/27