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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三柴ゆよし
4
アメリカ大衆文化論の古典。幻影(image)を自らの手で製造し、且その幻影と手を携えて踊り狂う、現代社会の薄気味悪さ。幻影の氾濫する世界とは、畢竟、鏡地獄の世界だ。誰もが同義反復の魔力に絡めとられている世界。ちなみに原題はあっさりと『THE IMAGE』。副題の「マスコミが製造する~」はちょっと余計で、これだとありがちな陰謀史観じみて具合が悪い。例え主犯がそうであっても、僕たち自身が共犯である事実から目を逸らしてはいけないのだろう。読まれるべき名著。2010/06/21
★★★★★
2
メディア論の古典なのかな?有名な「擬似イベント」って概念が提示された本ですね。エリート主義的な立ち位置や本物/偽物の二項対立は、今となっては検討の余地があるけれど、現代日本にも充分あてはまる議論は示唆に富んだものでした。ちと『大衆の反逆』を思い出した。2010/11/14
引用
1
強い、かなり強いと思う。令和の自己実現もこれを乗り越えることを問題にしないと早期退職リベラルの戯れということになってしまう2021/09/12
SQT
1
アメリカ研究の古典だが、アメリカナイズされた現代日本社会にはかなり響くと感じる。「世論はかつて大衆の意見の表明であったが、今日では、ますます人々がそれに自分の意見を適合させるイメジになっている」(p249)は特に耳が痛い。ブーアスティンが問題視するのは、すべてが擬似イベントになっていることにわれわれが安住してしまっている点。観光社会学の章から抜き出すなら、例えばアメリカ人は異国情緒を感じるためにトルコに行くのに、トルコで泊まるホテルはアメリカナイズされたもの。それゆえ、何が本当で何が擬似か全くわからなく。2016/08/29
抹茶ケーキ
1
マスコミなどが作り出した幻影が当時のアメリカ社会の現実を覆っていると主張。この世界には現実などなく、全ては模造品だって言ったボードリヤールの方が一貫してる感じがする。マスコミとかによって作られたイメージとそれ以外のイメージを区別する意味はないような気がするし。もちろんボードリヤールが触れていない面白いテーマもいくつもある。「有名人とは有名であることで有名な人のことである」とかすごく好き。2015/10/29
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