シリアの秘密図書館―瓦礫から取り出した本で図書館を作った人々

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  • サイズ B6判/ページ数 208p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488003876
  • NDC分類 956
  • Cコード C0022

出版社内容情報

シリア内戦下、ダマスカス近郊の町ダラヤでは、人々が政府軍に包囲されていた。一般にテロリストの町と報道されていたが、実際のところ彼らは自由を求める市民たちだった。砲撃に脅え、死と隣り合わせの過酷な日々。だがそんな過酷すぎる状況下でも、散逸した本を集めて地下に「秘密の図書館」を作った人々がいた――。本に希望を見出し、知識を暴力への盾として闘った人々を描く、感動のノンフィクション!

デルフィーヌ・ミヌーイ[デルフィーヌ・ミヌーイ]
著・文・その他

藤田真利子[フジタマリコ]
翻訳

内容説明

2015年、シリアの首都ダマスカス近郊の町ダラヤでは、市民がアサド政権軍に抵抗して籠城していた。彼らは政府寄りのメディアで狂信者、テロリストと報道されていたが、実際は自由を求める人々であった。政府軍の空爆により建物が破壊され、隣人が犠牲となる中、ダラヤの若者たちは瓦礫から本を取り出し、地下に「秘密の図書館」を作った。知の力を暴力への盾として闘おうとしたのだ。そんな若者たちにインタビューする機会を得た著者は、クッツェー、シェークスピア、サン=テグジュペリといった作家の本について彼らと語り、戦争に奪われた日常、図書館によって生み出された希望を記録していく。図書館に安らぎを、本に希望を見出した人々を描く感動のノンフィクション!

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

83
モノ(図書館)は破壊できても、心(文字渇望)は不変。万国共通「知」への好奇心。この知が、暴力への最大の防御ともなり、自由への道を拓く・広げることにも繋がる。アフマド氏が”扉”を開いた瞬間の震え!後のイドリブにおける巡回図書館への道。掲載の子供たちの好奇心に溢れた表情が、とても印象的。学ぶため、正気を保つため、逃げ出すためなど、読書”療法”も様々。目的は1つ、心の平静ではなかろうか。日々の”当たり前”に感謝、を再認識させられます。2018/09/03

けんとまん1007

69
これが、つい最近の事実であるということ自体、自分の中で消化できないものがある。シリアという国、内戦のこと、国連のこと、国際・宗教というもの。いったい、どれだけのことを知っているだろうか?ジャーナリズムの意味合いが、改めて考えさせられる。文字通り、都合の悪いものは根絶やしにするという思想。その中でも生き抜こうとする思い。人は、知ること、知識を得ることで、希望につながることがある。その意味での本、図書館という存在意義がここまで大きいものだと再認識。当分、消化しきれないものを背負った感じがする。2021/12/24

星落秋風五丈原

65
「無人島に行くなら、一冊何を持っていく?」 本好きの間では、よく話題になる。しかし本当に無人島に行ったなら、本の事を考えるのは後回しになる。食糧、寝る場所、脱出方法等々、他に考えるべきことは沢山あるからだ。この質問が出来ること自体、平和の表れだ。矛盾するようだが、一方で、たとえどんな非日常―今の私達から見て―においても、人は本を読む。読まずにはいられない。そうでありたい。そうであってほしい。本書もまた、とびきりの本好きの人達が登場する、爆弾飛び交う街で図書館を守った人々の実話だ。2018/03/28

信兵衛

31
本の持つ力の大きさ、そしてシリア問題を別角度から知るのに格好の一冊。お薦めです。2018/03/28

さく

29
読むのが辛くもあったけど、読んで良かった。シリアの首都近郊の町ダラヤは、政府軍に包囲され、毎日爆弾を落とされ、物資も届かない状況であった。建物が壊され、焼かれ、隣人が死んで行く中、ダラヤの青年たちは、瓦礫の下から本を拾い、地下室に秘密の図書館を作った。いつか持ち主が現れた時のために本には持ち主の名前を書く。本は、死の恐怖や悲しみを一時忘れさせてくれる。本書の著者は、包囲されたダラヤの青年たちとインターネットを使って一年間連絡を取り合い、彼らが脱出した後には会いに行っている。彼らの過去が本になって良かった。2018/12/09

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