歴史の証人 ホテル・リッツ―生と死、そして裏切り

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  • サイズ B6判/ページ数 288p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488003852
  • NDC分類 689.8
  • Cコード C0022

出版社内容情報

世界中の観光客の憧れの的であるこのホテルは、1800年代は、プルースト、オスカー・ワイルドが出入りし、1920年代にはヘミングウェイや、S・フィッツジェラルド等が待ち合わせに使い、ナチス占領下には、ゲーリングが拠点を置いた。そこには同時にコクトーもサルトルもボーヴォワールも、ロバート・キャパも出入りし、ココ・シャネルが住み……歴史を見守ってきたこのホテル。まさにグランド・ホテル形式の物語を地でいく傑作ノンフィクション。

内容説明

歴史はホテルで作られる…。パリ、ヴァンドーム広場に面したホテル・リッツ。世界中の観光客の憧れの的であるこのホテルは、ナチス占領時、ゲーリングが拠点を置いたにもかかわらず、そこには同時にコクトー、サルトル、ボーヴォワールら多くの作家、文化人たち、王族たちも出入りし、女優のアルレッティやシャネルのように、ドイツ人将校の愛人となる女性たちも多くいた。そしてパリ解放時には、従軍記者だったヘミングウェイ、戦場カメラマンのロバート・キャパらが先を争ってリッツを目指し、イングリッド・バーグマンはキャパと出会い恋に落ちる。ホテル・リッツという舞台を切り口に描かれた、まるでグランドホテル形式の小説のような傑作ノンフィクション。

目次

パリのスイス―一九四〇年六月
パリについてのあらゆる噂話―一八九八年六月一日
ヴァンドーム広場上空での空中戦―一九一七年七月二十七日
リッツと同じぐらい大きなダイヤモンド―一九四〇年九月一日
パリに流れてきたアメリカ人たち―一九四四年
フランス人女優とナチスの恋人
ユダヤ人バーテンダーとドイツの反ナチス活動
アメリカ人妻とスイス人支配人
ドイツ軍司令官とパリの運命
記者団とパリへのレース
アーネスト・ヘミングウェイと解放されたホテル・リッツ
女性記者たち―一九四四年八月二十六日
パリからの最後の列車
ココの戦争と汚れたリネン
ブロンドの爆弾と原子核科学者たち
ベルリンより愛をこめて、そしてパリでの最後の戦い―一九四五年
パリでの権力の衰退―一九五一年六月
戦争の長い影―一九六九年五月二十九日

著者等紹介

マッツェオ,ティラー・J.[マッツェオ,ティラーJ.] [Mazzeo,Tilar J.]
合衆国フロリダ州ポート・シャーロット生まれ。ノンフィクション作家。現在メイン州のコルビー大学で英語準教授を務め、夫の住むカナダのブリティッシュ・コロンビア州、ニューヨーク、メイン州を行き来する日々を送っている

羽田詩津子[ハタシズコ]
翻訳家。東京生まれ。お茶の水女子大学英文学科卒業。ミステリなどの小説、ノンフィクションと幅広い分野で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鉄之助

320
 ホテルリッツには、ロビーがなかった! 理由は、宿泊していない一般人の「のぞき見」防止。まさに、上流階級のサロンであり、王族・俳優・作家・画家……、あまたの有名人のたまり場である。幾多の歴史が作られた名門ホテル。そこにあったものは、豪壮な階段だった。それを、ファッションショーのランウェイのごとく、裾を翻して歩く貴婦人たち。この本を読むだけで、ある意味”魔界”をのぞき見させてもらってる、ようだった。  王位を捨てた「世紀の恋」のウィンザー公爵夫妻の裏の顔など、面白い”歴史の証言“満載だった。2024/06/06

とろこ

55
ゲシュタポとレジスタンス、ファシストと中立的な立場をとる人々。上流階級の紳士淑女や、世界的に有名な人々が集っていたホテル・リッツでは、様々な思惑が錯綜していた。友情や信頼と裏切り、忠誠とスパイ、恋の駆け引き。そして、生き延びられた人々と、拷問や処刑によって命を奪われた人々。その差を、運命という言葉で片付けてしまうのは、あまりにも冷酷に思う。ノンフィクションを読むという形で歴史に触れることは、その時代を生き、死んでいった人々に想いを馳せることなのかもしれないと、ふと思った。2017/08/03

星落秋風五丈原

37
ホテル・リッツといえばF・スコット・フィッツジェラルドの『夜はやさし』、ヘミングウェイの『日はまた昇る』、ノエル・カワードの戯曲『 Semi-Monde 』、ビリー・ワイルダー監督『昼下りの情事』、ウィリアム・ワイラー監督『おしゃれ泥棒』数々の映画や小説にも登場するほどの名物ホテル。このホテルが戦時中フランスのパリ一等地にあったというのがミソ。ドイツ軍に阿り分け前にあずかろうとすり寄る者もいれば、レジスタンス活動のために、敢えて危険に身を投じる者もいて、まさに実録グランドホテル。2017/07/31

桜父

26
フランスの名門ホテル「リッツ」の栄枯盛衰物語。第2次大戦時フランスがドイツに占領されてからもホテルの中では退廃的なパーティーが模様されていた。ドイツに媚を売るフランス人が多い事。「ココ・シャネル」も親独派でユダヤ人の商売を奪っていたなんて驚きでした。ユダヤ人迫害はフランス自ら積極的に行っていた歴史はドレフェス事件からも判るようにヒトラーの台頭以前からあった事は勉強になりました。「ヘミングウェイ」の尊大で無礼な行いに閉口してしまいました。歴史の教科書には載っていない事柄ばかりで面白かったです。2017/12/26

アーちゃん

26
図書館本。次の予約が入っているのと、最初の数ページを読んで、本の厚さのわりに時間がかかると腹を括って読みました。ともかくホテル・リッツの開業からパリ占領・大戦を通してその衰退と買収までを18章に凝縮している訳ですから(買収は「おわりに」で明記)登場人物の多いこと、読むたびに横道にそれてしまい(例えばアルレッティやプルースト等の生涯について調べてしまったりとか)しかし文章を噛みしめるような楽しい読書体験をさせていただきました。私としてはホー・チ・ミンがリッツの調理場で働いていたのには驚きました。2017/09/20

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