出版社内容情報
1970年代の「昭和の青春」。神保町・下北沢を舞台に、はかない恋と別れを青春文学の巨匠が胸に迫るスイートビターな筆致で描く。
1970年代、誰もが経験した「昭和の青春」を青春文学の巨匠がみずみずしく描く。
神保町、下北沢を舞台に、ジャズ、酒、文学、そしてタンメンにあけくれた時代のはかない恋と別れを、著者ならではの胸に迫るスイートビターな筆致で感動的に描く。
内容説明
ジャズ、コーヒー、少女たち。待望の書下ろし長編青春小説。
著者等紹介
片岡義男[カタオカヨシオ]
作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kiyoboo
20
片岡義男は健在だった。フリーライターの主人公が飲み屋に入ると「私をさらいに来てくれたのね」と言い、銀杏を焼いて、指先から口の中に入れる。主人公が妙にモテる。仕事をくれる男性からも信頼されて、いい関係でいられる。JRを国鉄と言い、携帯電話もない時代。ビンゴの景品の特賞がカローラ。でも古さや不便さも感じられないところが、片岡義男マジック。さらっと読めて、ほとんど何も残らない(笑)でもたまに読みたくなる。2018/09/26
tetsubun1000mg
12
最近の片岡義男さんは、20代のライターから小説家としてデビューする時期の仕事のやり取りや人との出会いを題材として、東京の街を舞台に書かれることが多いようだ。 ヒントを得て展開を考えていく手法は、映像を浮かべているようだ。 作中の出演者(主に小説家)を筆者本人の目線のように書いているので、まるで片岡義男の主演映画を見ているように感じる。 そこが筆者のうまさなのでしょう。 80歳になろうというのに、いまだにキレとリズムを感じる文章です。2019/07/20
Iso
12
久しぶりの片岡義男さん。懐かしさ満載です。2015/08/22
ウッチー
10
1960年から70年代を舞台とした、文学とジャズと酒と恋の物語。 作者独特の語り口が懐かしい反面、難しさもあり、だけどやっぱり懐かしさが最後は残る。そんな感じのストーリーでした!2016/02/27
メルコ
9
作家一歩手前の「ぼく」と編集者や周囲の女性との関係を描く。一風変わった感覚の小説。途中で登場人物が誰が誰だったかこんがらがってしまった。行きつけの店でかかっている音楽(主にジャズ)が作品のアクセントになっている。小説内の小説「なんてこった、と僕も言う」も印象に残る。2021/10/04