出版社内容情報
人類史上もっとも豊かな時代,ルネサンス期を築いた芸術家たちの生涯と全作品。初めて日本に紹介される作品図版も多数収録。新進の研究家による,新しい美術シリーズ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
218
ヴェネツィアの画家ベッリーニの登場である。ただし、彼はヴェネツィアを中心に活躍していたために、ルネサンス盛期のフィレンツェの画家たちに比べると、人気も知名度も彼らに遠く及ばない。時代的にも幾分か彼らに先行し、ヴェロッキオとほぼ同時代に生きた。彼の絵でもっとも特徴的だと思うのは、例えばペーザロ祭壇画に見られるような遠景の幾何学的精密さと、細密画ばりの細部の精緻さである。この細密さが肖像画に生かされたのが「レオナルド・ロレダンの肖像」だ。細やかな顔のしわといい、ドージェのガウンの模様といい、素晴らしい質感だ。2015/07/21
micamidica
5
ずっとまえの旅行中に手に入れつつ読んでいなかった解説つきの画集。本来はミラノのあまり名の知れていない美術館にあるのだけれど、ヴィチェンツァとローマで2度みることができて以来頭から離れない「聖ジュスティーナ」。この本にもひとことも載っていなくて、やはりイタリア語を読めねば好きな作品のこともわからないのだなぁと思い知る…。この本はこの本で楽しめた。このシリーズは絵の色合いが比較的本物に近いので旅行中よく買ったなぁ。2017/06/13