出版社内容情報
「乙女」の出現から処刑までわずか2年…。膨大な史料から事実のみを冷静に積み上げた綿密・重厚な評伝に，同時代の登場人物などテーマ別解説を加え，全てを網羅した決定版。
内容説明
ジャンヌ・ダルク＝「乙女」の出現から処刑までわずか２年…。後世に付与された伝説・神話の類を排除し、厖大な史料から事実のみを冷静に積み上げ「ジャンヌ・ダルクという名の事件」の全容を解説する。綿密・重厚な評伝、同時代の登場人物解説、呼称・言語・王家の私生児伝説ほかさまざまなテーマの徹底討論まで、「今日知りうるかぎりのすべて」を網羅した決定版。
目次
第１部 戦記（乙女の噂；希望という名の奥方；九日十夜；“苦難を分かちし旗なれば”；“あと一年だけ”；“捕虜が脱走を試みるは法に適えり”；“イギリス人に殺されるのは百も承知のうえです”；シャルル勝利王；“みんなと同じように”）
第２部 主要登場人物（シャルル七世；シャルル・ドルレアン―王侯詩人にして詩人の王侯；ロベール・ド・ボードリクール―ヴォークルール守備隊長；ラウル・ド・ゴークール―オルレアン代官 ほか）
第３部 討議（ジャンヌ・ダルクの姓；オルレアンの攻囲；ジャンヌ・ダルクの時代の武具；ジャンヌ・ダルクの剣 ほか）
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
8
ジャンヌ・ダルクはかくも人々を惹きつけて止まないのか。最近で言うと小池都知事や斎藤環の戦闘美少女はジャンヌキャラの変奏と言え、ミカサ・アッカーマンや宝塚歌劇団は男装して性的視線を回避するフェミニズム論として、さらにイエス・キリストのパロディとしてソクラテスと並んで考察することも可能です。国民国家の成立期にナポレオンがナショナリズムの形成に利用したなど多様なコンテクストを含んだジャンヌですが、その様な現代的解釈から離れ、本書は当時の書簡や裁判記録などを元に歴史書として著します。３章立ての１章は実証主義的に事2017/05/18
j1296118
0
現在までに彼女についてわかっている確実なことをすべて収録すること（序文より）が狙い、と称するまとめ本。索引・年表・参考文献一覧で八十頁ほどに及ぶ事だけ見ても分かるみっしりぶりであった。 第一部・戦記後半、裁判二冊でも思った事だがピエール・コーションとパリ大学は随分と精励し働いたものだ。第二部・主要登場人物紹介、第三部・討議が楽しい。2014/09/06
Yosuke Saito
0
出版当時のジャンヌ・ダルク研究の集大成と呼べる本。ジャンヌにかんする百科事典ともいえる。2011/11/26
lovejoy
0
★★★★2023/09/13
