出版社内容情報
ヨーロッパ文化の古層をなすケルト人。その歴史,発展,商業,工業,芸術,宗教などを豊富な図版・写真をもとに総合的に解説。今脚光を浴びている幻の民の全貌を探る。
内容説明
本書は、歴史学、考古学、言語学のさまざまな証拠を駆使して、東のバルカン半島からフランス、スペイン、そして西のイギリス、アイルランドにいたるまで「未開のヨーロッパ」に生きたケルト人の生活、芸術、宗教全般を鮮やかに描いている。従来、「幻の民」と呼ばれてきたケルト人を、その起源から最後の軌跡まで、初めて総合的に解説した記念碑的名著である。カラー口絵はじめ160点に及ぶ写真・図版を掲載。
目次
第1章 ケルト人を求めて(情報源と定義;古代史の中のケルト人;ガリア人;ガラテア人 ほか)
第2章 ケルト人の生活(ケルト人の肉体的特徴;服装;装飾品;ケルト人気質 ほか)
第3章 ケルト人の神霊(ケルト人の原始的宗教;年間行事;部族神と自然神;三組神 ほか)
第4章 ケルト人の軌跡(キンブリー族とチュートン族;「ゲルマン人」;古代チュートン人;デンマークでのケルト出土物 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
伝奇羊
8
古い本だがケルト人について書かれたものとしては支持されているらしい。ケルト人は鉄器時代以前から存在し精緻な金銀細工を残しヨーロッパに広く痕跡を残した。ガリア戦記のガリア人はケルト人のこと。多くの部族と地名が出て来てヨーロッパとイギリス、アイルランドの地勢が頭に入っていないと難しい。最後はアイルランドやウェールズに移り住んだ人々が残るだけ。多神教を信じ文字は持たずドルイドと呼ばれる僧侶や吟遊詩人が口承で記録を残した。ハロウィンの起源はケルトの祭りが起源らしい。2025/03/28
しいかあ
2
考古学的な話が主。なので、神話や歴史、あるいはアイルランドのケルト文化の話を期待しているとちょっと肩透かしを食らう。神話とか儀式とかの人類学系の話は、何でもかんでも印欧語族に関連付けし過ぎで、考え方がやや古い気がした。ただ元々の本自体が結構昔の本なので仕方ない面もあると思うけど。訳者あとがきにもちょっと書いてあるけど、訳者が翻訳に慣れてないせいか、文がやや読みにくく感じた。特に固有名詞のカナ表記はときどきオリジナルすぎてちょっと戸惑う。ククーリンがクーフーリンのことだと気付くのにしばらくかかったし。2011/12/21
misman
1
紀元前から1600年辺りのケルト人の変遷を知ることができる。物語に関する話は一切出てこないので、ある種年譜読んでいるような感覚。2020/03/02
おかまたけ
0
ケルト人=インド・ヨーロッパ語族の代表として、インド・ヨーロッパ語族とローマ帝国に代表される地中海文明とのコラボレーションについてまとめている。ハルシュタット文化の影響範囲と、『遊牧国家の誕生』(isbn:4634349361)で書かれているスキタイの影響範囲がハンガリー周辺で被っていますが、実際にラ・テーヌ期の美術工芸でそういった影響があるようです(pp.136-138)。そういうテーマの本あるのかな?骨埋葬、ワゴン葬、エポーナ(馬をつれた女神)、殺される王、ドルイド=バラモン説2009/05/21