出版社内容情報
汽水域に生息する種も多い巻貝たちが、最近減少や絶滅の危機にあることがわかってきた。巻貝を保全する上で重要な研究成果を紹介。
内容説明
人間活動の影響を最も強く受ける汽水域。そこがつくり出す固有の環境に適応して生きる巻貝たちの多様な生き様と、それに基づいた汽水域保全の視点を、著者の体験を通して語る。
目次
第1章 汽水域の環境と生物―既往の情報(汽水域の環境特性と生物分布;北欧のHydrobia属)
第2章 半球型の巻貝(タマキビ科(Littorinidae)―陸域に適応した貝
スガイ―緑藻カイゴロモとの共生
イシマキガイ―淡水域まで遡上する貝)
第3章 塔型の巻貝その1(コゲツノブエ―殻上に産卵する貝;ウミニナとホソウミニナ―発生様式が異なる近似種;イボウミニナ―堆積物食と懸濁物食を両用する貝)
第4章 塔型の巻貝その2(センニンガイとキバウミニナ―マングローブ湿地の代表種;ヘナタリとカワアイ―干潟の絶滅危惧種;フトヘナタリ―塩性湿地の代表種;タケノコカワニナ―汽水域上端に住む貝)
第5章 微小貝(ワカウラツボ―泥に埋没した石下に生きる稀少貝;ワカウラツボの生活史と個体群動態;カワンンショウ科―塩性湿地の微小貝;カワザンショウ類の生活史と食性)
第6章 汽水性巻貝の生活史と気水域の保全(汽水性巻貝の生活史特性のまとめ;汽水域の生物への人為的影響;日本の汽水域に侵入する外来生物;姿を消しつつある汽水域の巻貝)
著者等紹介
和田恵次[ワダケイジ]
奈良女子大学名誉教授、理学博士。1950年和歌山市生まれ。1979年京都大学大学院理学研究科博士課程単位認定退学。京都大学理学部助手、奈良女子大学助教授・教授を経て2016年退職。いであ株式会社大阪支社技術顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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